70年代

仇討ちミコちゃん

1974~1988初出 山上たつひこペップ出版 <収録短編>仇討ちミコちゃん青空侍幕末お笑い三人組いやだなあ沖田君天気晴朗なれども日は高し探り山亀右衛門出世勝負さるとび佐助 おおむねギャグ路線。 初期を彷彿させるようなシリアスな短編はなし。...

アフリカの爆弾

1971~74年初出 山上たつひこペップ出版 <収録短編>アフリカの爆弾穴マイホーム・マイホーム恐怖飯店心 表題作「アフリカの爆弾」と「穴」は筒井康隆の短編の漫画化。 特に改変があるわけでも、脚色されているわけでもなく、原作に忠実。 他三篇...

喜劇新思想大系

1972年初出 山上たつひこ秋田漫画文庫全6巻 貸本漫画を皮切りにシリアスなSF/ホラー系の作品を多く発表していた作者が初めて挑んだギャグマンガ。 いやもう凄いです。 誌面から臭気が匂い立ってくるよう。 貧乏でもてなくて時間だけはたっぷりあ...

旅立て!ひらりん

1971年初出 山上たつひこ小学館クリエィティブ なんとも不思議な作品。 SFというべきか、ファンタジーというべきか、山上版「不思議の国のアリス」というのが一番近いかもしれない。 物語序盤は期待させるものがあったんです。 いきなり魚の化け物...

光る風

1970年初出 山上たつひこ小学館クリエィティブ はたしてこれが本当にあの「がきデカ」の作者の作品なのか?と疑いたくなるぐらいシリアスで、一切の笑いなし。 再び軍国主義への道を歩みだした日本の「ありうるかもしれない」もうひとつの未来を描いた...

山上たつひこ名作劇場

1979年初版 山上たつひこ朝日ソノラマサンコミックス 全3巻 1 あるぷす犬坊  <収録短編>    岩風呂くん  ゴムゴム  ラビットくん 2 マシンママ  <収録短編>  マシンママ  人形の館  手紙  家紋  光彩のある殺意  餓...

まことちゃん

1976年初出 楳図かずお小学館少年サンデーコミックス 全24巻 アニメ映画化もされ、人気を博したギャグマンガですが、実は私、まことちゃんで笑ったことって全巻を通して1回だけしかなかったりします。 ホラーと笑いは紙一重であって、ホラーがやれ...

紅い牙

1975年初出 柴田昌弘メディアファクトリーMF文庫 1~3巻(全11巻) 初期はマーガレットに掲載、その後花とゆめに場所を移してブルーソネットのタイトルで長期連載された少女を主人公としたエスパーもの。 とりあえずマーガレット時代は大変なこ...

漂流教室

1972年初出 楳図かずお小学館少年サンデーコミックス 全11巻 問答無用の必殺の傑作。 何度もドラマ化、映画化、舞台化された作品ですが、そのどれもが原作の素晴らしさに寸分たりとも及んでない、という名作中の名作でしょうね。 教室まるごとが荒...

猫目小僧

1976年初出 楳図かずお小学館少年サンデーコミックス 全5巻 妖怪の子として生まれたが、人に育てられたが故、人の味方をしてしまいがちな猫目小僧の怪異譚を綴った作品。 猫目小僧は私の読んだ少年サンデー掲載版以外に、67年から少年画報社で連載...

サバイバル

1976年初出 さいとうたかをリイド社SPコミックス 全16巻 何度も形を変え版を重ねた名作として名高いシリーズですが、実は私、あまりぴんときてなかったりします。 突然の巨大地震により文明が崩壊した世界で、1人生き抜く少年サトルの苦難の日々...

少年の町ZF

1977年初版 小池一夫/平野仁小学館ビッグコミックス 全9巻 突如宇宙より飛来した侵略者に、たった10人で立ち向かうことになった少年達を描いたサバイバルSF。 侵略SFの名画「ボディスナッチャー恐怖の街」をご存知の方は、そちらを思い出して...

青春の尻尾

1977年初出 小池一夫/平野仁小学館ビッグコミックス 全6巻 まだ世に出る前の若かりし諸葛孔明を描いた中国歴史ドラマ。 お、小池版プレ三国志か、と色めきたつ人も中にはいるかもしれませんが、実態は三国志どころか史実にすらかすりもしていないの...

ケイの凄春

1978年初版 小池一夫/小島剛夕双葉社アクションコミックス 全14巻 武家社会の体面やしきたりをなげうって、苦界に落ちた愛する女性の行方を捜し、食うや食わずの旅を続ける1人の元武士の姿を描いた時代劇。 あらためて書くまでもなくテーマは純愛...

道中師

1976年初版 小池一夫/小島剛夕秋田漫画文庫 全4巻 道中師と呼ばれる掏摸の世界を描いた時代劇。 スリ集団の縄張り意識やしきたり、決め事を細かに描いた当時の裏社会の描写は興味深いし、それを題材にして物語を紡ぐ発想はさすがだと唸らされるもの...

下苅り半次郎

1977年初版 小池一夫/神江里見秋田漫画文庫 全4巻 跡継ぎに恵まれぬ将軍家綱の命により、御仏の子宮をもつ女を捜す諸国行脚へと身をやつした伊賀者番頭、堤半次郎の苦難の日々を描いた時代劇。 しかしまあなんとも凄いアイデイアだなあ、と感心しま...

首斬り朝

1972年初出 小池一夫/小島剛夕小池書院 全8巻 ああ、これはこれはもうひとつの子連れ狼だ、と思いましたね。 もちろん大吾郎はでてこないし、柳生も敵対しませんが、公儀介錯人として拝一刀がもし職務に殉ずる覚悟をして日々を過ごしていたら、こう...

修羅雪姫

1976年初版 小池一夫/上村一夫秋田漫画文庫 全3巻 明治時代を舞台に、殺された両親の恨みを晴らすために仇探しの旅を続ける雪の血で血を洗う日々を描いた復讐譚。 かのタランティーノの「キルビル」は本作を模倣している、と小池一夫が訴えたところ...

子連れ狼

1970年初出 小池一夫/小島剛夕小池書院 全20巻 時代劇マンガ不朽の名作。 異論を挟む余地はない、と私、断言します。 これ以上のもの、ってちょっとありえないと思えるレベル。 なんといっても公儀介錯人である主人公が柳生一門に対する復讐のた...

春が来た

1976年初出 小池一夫/小島剛夕双葉社アクションコミックス 全8巻 大奥お庭番として50年以上にわたって禁欲生活を送り続けてきた忍者と、町方十手ものとして妻も娶らず職務にいそしんできた二人の、退役後の人生を描いた時代劇。 当時にしては相当...

サハラ

1973年初出 小池一夫/平野仁小学館文庫 全8巻 1960年代のアフリカ、アンゴラを舞台とした女性だけの傭兵集団の、血と謀略の日々を描いた作品。 60年代の暗黒大陸の政情なんてまるで知らない私ですが、普通にストーリーを追うだけで、何故長い...

多羅尾伴内

1978年初版 小池一夫/石ノ森章太郎講談社KCスペシャル 全3巻 1946~1960年の間に片岡千恵蔵主演で11作品が公開され、大人気を博したシリーズの漫画化作品。 とはいえ、漫画では二代目多羅尾伴内が主役を張っており、正確に言うなら映画...

ムサシ

1974年初出 小池一夫/川崎のぼるホーム社漫画文庫 1~3巻(全10巻) 小池一夫と「巨人の星」で有名な川崎のぼるのタッグによる、宮本武蔵のマンガ化作品。 少年サンデーに掲載されていたらしいんですが全く知りませんでした。 まあ時代と少年誌...

御用牙

1971年初出 小池一夫/神田たけ志少年画報社 1~3巻(全18巻) 小池時代劇の中でも人気タイトルだと思うんですが、個人的には一番荒唐無稽かも、と思った一作。 北町奉行同心で十手持ちである半蔵の、過激で横紙破りな活躍を描いた作品なんですが...