70年代

夢喰いドガ

1976~78年初出 森脇真末味朝日ソノラマサンコミックスストロベリーシリーズ <収録短編>夢喰いドガ灰になるまではらからよBE MY LOVER兄弟ZINGI空白時計 おそらく森脇真末味の最も初期の作品を集めた短編集。 新装版や再編集版な...

緑茶夢

1979年初出 森脇真末味小学館フラワーコミックス 全4巻 おんなのこ物語の後日譚。 発表はこちらの方が先なんですが、Sticker解散後の水野の新バンド「スラン」の活動を主に描いたロック漫画。 後に作者が好んで使いそうなゆがんだ性格のキャ...

白土三平異色作品集

1975年初出 白土三平小学館ビッグコミックス 全18巻 1 サバンナ2  ナータ3 ペンテウス4~8 バッコス9 野牛の歌10 ボロロ11 ワタカ12 七ツ桶の岩13 首の男14 雨女の島15 お仙16 泣き原17 原人の墓18 鬼泪 カ...

首代引受人

1971年初出 平田弘史リイド社SPコミックス それが事実なのか、創作なのかはわからないんですが、戦国時代、敵に追われ窮地に陥った武士が己の首を敵の言い値で売り、その場で手形を渡し死を免れる因習があったらしいんですね。 その後、手形を持って...

それがし乞食にあらず

1970~71年初出 平田弘史青林工藝舎 <収録短編>我れ枯るるともそれがし乞食にあらず仕末妻秘砲抱え大筒不承知槍誰も戦い望まぬけれど サンデー毎日等に掲載された短編を集めた作品集。 これがもう何事か、と言いたくなるほど読み応え充分の作品ぞ...

樹の実草の実

1976~77初出 倉多江美白泉社花とゆめコミックス <収録短編>樹の実草の実イージーゴーイングフェイブルくんの夢赤ずきん君メニュー自慢終末釘球面三角 バラエティ豊かな短編集。 コミカルなものからシリアスなものまで、初期の一万十秒物語も収録...

エスの解放

1978年初出 倉多江美白泉社花とゆめコミックス これは一体何なんだ?と初読時、唸らされたのがこの一冊。 まあ少なくとも少女マンガではないですね。 遠くへ行っちゃってるというかサイケというか、私はなんとなくつげ義春の「ねじ式」を思いだしたり...

白木蓮抄

1977~80年初出 花郁悠紀子秋田漫画文庫 <収録短編>白木蓮抄不死の花百の木々の花々緑蔭行路それは天使の樹幻の初恋 SFの人か、と思っていたらなんでも描ける人であらためて驚かされた、ってなところでしょうか。 能を題材にした幻想的な作品か...

フェネラ

1977~80年初出 花郁悠紀子秋田漫画文庫 <収録短編>フェネラ昼下がりの精霊水面に咲く風に哭く 伝説の女流漫画家、花郁悠紀子のSF系の短編ばかりを集めた作品集。 いや、正直唸らされましたね。 表現手法は当時の少女マンガの様式に沿ったもの...

山岸凉子の短編集 14冊

1972年初出 ゲッシング・ゲーム(集英社セブンティーンコミックス) 掲載紙の性格上の問題もあるとは思うんですが、個人的には相当きつかった長編。第一話は72年に描かれているので初期の作品と言っていいと思います。もう、何もかもが古い。ストーリ...

大島弓子選集 第1期

1968~71年初出 1巻 誕生<収録短編>ポーラの涙/ぺールの涙/デイトははじめて/フランツとレーニ/詩子とよんでもういちど/男性失格/誕生/夏子の1日/あしたのともだち/みち子がきた日 購入当時はあまりの古さにとても最後まで読めなかった...

萩尾望都作品集 第Ⅱ期

1巻、2巻 百億の昼と千億の夜はこちらのページ 1978年初出 3巻、4巻 スター・レッド 私の中で萩尾SFが完成した、と感じたのはこの作品から。舞台は火星で、しかも超能力バトルものだったりして、これといって目新しい試みは特にないんですが、...

萩尾望都作品集 第Ⅰ期(抜粋)

1969~73年初出 1巻 ビアンカ<収録短編>ルルとミミ/すてきな魔法/クールキャット/爆発会社/ビアンカ/ポーチで少女が子犬と/ベルとマイクのお話/雪の子/千本めのピン 萩尾望都の最初期の短編を集めた一冊。80年代の作者の作品に慣れ親し...

遥かなり夢のかなた

1975~80年初出 竹宮恵子小学館文庫 <収録短編>遙かなり夢のかなた集まる日オルフェの遺言夢見るマーズポート決闘2108年西暦2763年の童話ジルベスターの星から真夏の夜の夢夜は沈黙のとき SF系の作品ばかりを集めた短編集。 「遙かなり...

地球へ

1977年初出 竹宮恵子スクエアエニックスGファンタジーコミックス 全3巻 なんせ初めて読んだ竹宮恵子のマンガが「風と木の詩」だったので、当時学生だった私は激しい嫌悪感を覚え、それが原体験となり、本当に長い間、氏の作品は敬遠しておりました。...

ミステリオス

1972年初出 小室孝太郎高橋書店 全2巻 ワーストや命MIKOTOの強烈さを期待すると完全に肩透かしをくらうと思います。 学園の番長で、素行不良な主人公悟郎が、なぜか救われない魂をあの世に送る手伝いをする羽目になる、というオカルトファンタ...

命 MIKOTO

1978年初出 小室孝太郎集英社ジャンプスーパーエース 80年代にブームを巻き起こした伝奇バイオレンスの先駆けとも言える作品。 漫画で呪術、密教を題材としたオカルトアクションをやったのはおそらく本作が最初ではないか、と思います。 恐ろしく早...

ワースト

1970年初出 小室孝太郎集英社ジャンプコミックス 全4巻 侵略SF、パニックSFの傑作として好事家の間で名高い作品ですが、なるほどこれは先駆的作品として伝説化するのもわかる、と納得の一品。 とても少年ジャンプ掲載とは思えません。 いったい...

アタゴオル物語

1976年初出 ますむらひろし朝日ソノラマ 1~3巻(全6巻) マンガ少年に掲載された、人語を解する巨大猫ヒデヨシと少年テンプラの活躍を描いた作者おなじみのファンタジー、最も初期のもの。 後年に比べると作画がかなり拙い、というのはあります。...

愛と誠

1973年初出 梶原一騎/ながやす巧講談社マガジンKC 全16巻 当時、空前の大ブームを巻き起こし、何度も映像化された作品ですが、実は私、今日まで読んだことがなくてですね。 何の根拠もない先入観なんですが、すごく暑苦しそう、と思ってたんです...

ザ・ムーン

1972年初出 ジョージ秋山小学館文庫 全4巻 作者にしちゃあ珍しい、巨大ロボットもの。 しかしこの手の勧善懲悪な少年SFにおいてすらジョージ秋山節は全開。 こりゃ裏石ノ森章太郎、裏横山光輝と言っても良い作品では、と思います。 本当にカタル...

アシュラ

1970年初出 ジョージ秋山幻冬社文庫 上、下 少年誌でカニバリズムって、とりあえず編集は止めろよ、と言う話で。 青年誌媒体がなかった、というのはわかるんですが、それにしても超えちゃいかん一線はあるでしょう、と思う次第。 この作品の最大の問...

銭ゲバ

1970年初出 ジョージ秋山幻冬社文庫 上、下 もう本当に長い間ジョージ秋山は鬼門でして。 まず絵が好きになれない、ってのが大前提にあって、さらには、あけすけに露悪的かつエキセントリックな作風が嫌いってのがその次にあった。 もちろん浮遊雲み...

エコエコアザラク

1975年初出 古賀新一秋田書店チャンピオンコミックス 全19巻 70年代の少年チャンピオンを支えた人気漫画のひとつで、近年、何度か映画化されたりドラマ化されたりしている作品ですが、はっきり言って原作はそれほど優れた出来というわけでもなし。...