しりあがり寿

そして、カナタへ

2013年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス 黒き川、ノアの阿呆船、アレキサンダー遠征の三作すべてを取り込んで、ひとつの物語へと収斂する完結編。 ぶっちゃけ、まとめられんでしょ、これは、と思ってたんですけど、いやー、やりきり...

黒き川、ノアの阿呆船、アレキサンダー遠征

2010~2013年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス 最終的にはすべてがひとつに収斂する計画で連載された、3つの別々の物語。 黒き川は時代も場所もしれない少年の冒険の物語。 RPGっぽいファンタジーではありますが、少年の道...

あの日からのマンガ

2011年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス <収録短編>地球防衛家のヒトビト(抜粋)海辺の村川下り双子のオヤジ(抜粋)希望✕震える街そらとみず 東日本大震災後に描かれた四コマや短編をまとめた一作。 日本は終わってしまうのか...

川下り双子のオヤジ

2007年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス 元々「双子のオヤジ」という作者の作品がありまして。 山奥でオヤジ二人が、あーでもないこーでもないと益体もない会話を交わす対話劇らしいんですが、私は未読。 哲学的、との評も見かけま...

ゲロゲロプースカ

2007年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス 結局たいして意味のないことを意味ありげに煽るのがしりあがりなんじゃねえのか?と少し懐疑的になってしまった一作。 それぞれが独立した短編の連作なんですけど、おそらく共通するテーマは...

真夜中の水戸黄門

2004年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス おなじみ弥次喜多の二人が、助さん格さん役で黄門様に付き従い、諸国を漫遊するデタラメな一作。 時代劇における国民的アイコンである水戸黄門と、弥次喜多をかけ合わせれば人気爆発は間違い...

真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん

2005年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス スピンオフなのか番外編なのか、正統なる続編なのか、本書に関する情報がググってもさっぱり見つからないんで、どう位置づけたらいいものなのやらさっぱりわからないんですけど、ま、単純に「...

ファンタジー、おじさんをつつむ

1996年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス いわゆるモーレツ社員(死語)であり、24時間働けますか?(リゲイン)と問われて、本当に働いてきた団塊の世代や社畜たちの、逃げ場のない苦悩を描いた連作短編集。 高度成長期ならいざし...

“徘徊老人”ドン・キホーテ

2000年初出 しりあがり寿朝日新聞社 相変わらず秀逸なタイトルでお見事と言う他ない。 徘徊老人って・・・。 しかもドン・キホーテ。 家族だけの問題に留まらず、地域、社会の問題として取り組む必要のあるボケ老人の徘徊を、ドン・キホーテの奇行に...

ジャカランダ

2002年初出 しりあがり寿青林工藝舎 やってることは方舟(1999~)とほぼ同じというか、抗いようのない超自然なカタストロフを今回もテーマにしてるわけですが、作者の位置づけ的には方舟と対になる物語、のようです。 どこかでそんなことを語って...

方舟

1999年初出 しりあがり寿太田出版 描かれているのは静かに忍び寄る終末。 そこに、核爆発も宇宙大戦争もなければ、巨大な隕石の飛来もない。 ただ、しとしとと「雨」が降る。 ただしその雨は決してやむことがない。 「まさかね、いつかはやむでしょ...

弥次喜多 in DEEP

1997年初出 しりあがり寿エンターブレインビームコミックス 全8巻 真夜中の弥次さん喜多さん(1994~)の続編。 前作で物語は、一応の落とし所を見つけはしたものの、旅の終着点である「お伊勢さん」にはまだ到着してなかったんで、続きが描かれ...

ア◯ス

1998年初出 しりあがり寿ソフトマジックレヴォルトコミック さてこのタイトル、どう読めばよいの?ってところからまずは悩むわけで。 多くの人は「きっとアリスだろう」と言ってるみたいですが、作者自身は「アマルスと呼んでます」などとすっとぼけた...

瀕死のエッセイスト

1993年初出 しりあがり寿ソフトマジックレヴォルトコミック 「死」をテーマに、明日をもしれぬ病人を狂言回しとして、幻覚的でシュールな物語を綴った連作。 死を考えることで生き様を問う、みたいな感じのことがやりたかったのかな?と思うんですけど...

真夜中の弥次さん喜多さん

1994年初出 しりあがり寿マガジンハウスmag comics 全2巻 何事か、ってレベルでしりあがり寿が「化けた」のがこの作品でしょうね。 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」が元ネタですが、古典すぎて手にとったことすらないんで色々調べてみたら...

流星課長

1984年初出 しりあがり寿竹書房バンブーコミックス 初期のしりあがり寿の作品で面白い!と思ったものって私はあまりなくて、アングラなヘタウマパロディ漫画家でしょ?みたいな認識しかなかったんですが、ヒゲのOL薮内笹子(1986~)と並んで初め...

ヒゲのOL薮内笹子

1986年初出 しりあがり寿竹書房バンブーコミックス 真実の愛を見つけるまでヒゲを剃らない、と誓ったOL薮内笹子の伴侶探しを描いたギャグ漫画。 私が初めて作者の漫画を読んだのはこの単行本だったんですけど、ぶっちゃけ天才か!と思いましたね。 ...