70年代

半蔵の門

1978年初出 小池一夫/小島剛夕小池書院道草文庫 全15巻 小池版、徳川家康。 タイトルにある半蔵とはもちろん服部半蔵のことで、言わずと知れた伊賀忍者の大首領。 家康と半蔵の主従を越えた信頼関係を物語の軸に、波乱の戦国時代を描いた作品。 ...

実験人形ダミーオスカー

1977年初出 小池一夫/叶精作スタジオシップ劇画キングシリーズ 全19巻 人間と寸分違わぬ等身大人形を作る天才人形師、渡胸俊介の奇矯な放浪の日々を描いたアダルトなアンチヒーローもの。 この作品が独特なのは主人公渡胸俊介が、オスカーと呼ばれ...

I・餓男 アイウエオボーイ

1973初版 小池一夫/池上遼一スタジオシップ劇画キングシリーズ 全7巻 おなじみ小池現代劇「リベンジもの」のルーツといっていい一作でしょうね。 以降に発表された傷追い人(1982~)等の作品はすべてこのI・餓男を足がかりとしているように思...

高校生無頼控

1971年初出 小池一夫/芳谷圭児双葉社アクションコミックス 全8巻 当時、爆発的ヒットを記録し、後に3度の映画化もされた作品。 性描写を前面に描いた漫画のパイオニアとも言われたりしてます。 過激派に名を連ね広域指名手配となった行方知れずの...

鬼輪番

1974年初版 小池一夫/ながやす巧/やまさき拓味オリオン出版劇画KINGシリーズ 全7巻 「この物語は封建社会における、ある青春の慟哭譜である」との見開き前説で始まる忍者もの、時代劇。 「鬼輪番」が「お庭番」をもじっていることはすぐに察し...

新デビルマン

1979年初出 永井豪講談社マガジンKC 全1巻 続編ではなく、デビルマンの番外編的作品なんですが、かの名作に挿話、裏話的ものなどあるはずもなく、はっきりいって無理矢理です。 飛鳥了と不動明が時間の狭間に紛れ込んだデーモンを追って、過去にさ...

黒の獅士

1978年初出 永井豪中央文庫 全3巻 戦国時代、伊賀百地の里に天才少年忍者としてうまれた獅子丸の激動の半生を描いたSFアクション時代劇。 あとがきで永井豪は自分なりの山田風太郎をやってみたかった、みたいな事を書いてますが、ああ、なるほど、...

凄ノ王

1979年初出 永井豪講談社マガジンKC 全9巻 今更超能力ネタ?と個人的には連載当初から幾分醒めた気持ちで対していたのは確か。 79年といえど、サイキックなアプローチのあれこれがすでに手垢な印象はどこかあったように思うんです。 バビル二世...

花平バズーカ

1979年初出 小池一夫/永井豪集英社ヤングジャンプコミックス (1~3巻)全10巻 あの永井豪が小池一夫を原作に迎える?というだけで当時はえっ?って感じではありました。 他の漫画家が逆立ちしても描けない様な名作をいくつも生み出してきた人が...

スペオペ宙学

1978年初出 永井豪秋田書店サンデーコミックス 全3巻 当時この作品が「うる星やつら」と同時に少年サンデーで新連載開始、ってのがつくづくすごい話だなあ、と。 80年代を目前に、劇的に変化していった漫画文化の過渡期に思いを巡らせざるをえませ...

へんちんポコイダー

1976年初出 永井豪双葉社 全2巻 実は永井豪という突出した才能のK点はここにあったのではないか、と思える横紙破りな怪作。 テレビマガジンに連載された幼年向きの変身ヒーローものなんですが、半端じゃなく狂ってます。 なんせ主人公は「へんちん...

手天童子

1976年初出 永井豪講談社マガジンKC 全9巻 初読時はこういうスタイルの伝奇SFなんてそのカテゴリーすら知らない子供だったので、ただもうひたすら圧倒された、ってのが正直な感想ですね。 迫力に満ちた「鬼」の作画も衝撃的でした。 鬼の絵を見...

おいら女蛮

1974年初出 永井豪小学館サンデーコミックス 全7巻 ケンカっぱやくて暴れん坊で行く先々の学校で退学処分を突きつけられる悪童女蛮子(すけ ばんじ と読む)が親の間違いで女子として中学校に転入させられ、やむなく女子中学生として学園生活を送る...

イヤハヤ南友

1974年初出 永井豪扶桑社文庫 全5巻 作者お得意の学園ナンセンスコメディ。 学園を支配する二つの財閥の派閥闘争につきあわされる南友くんの、不思議な活躍を描いた作品。 おそらく全く先の展開を考えずに描いたんだろうなあ、と思われる内容で、中...

キューティーハニー

1973年初出 永井豪秋田書店チャンピオンコミックス 全2巻 東映動画とのメディアミックス作品。 マジンガーZと同じく企画ありき、です。 変身する戦う少女を主人公とした嚆矢たる作品ですが、やはり本作もアニメで見た方がいいように私は思います。...

けっこう仮面

1974年初出 永井豪集英社ジャンプコミックス 全5巻 いわずと知れた月光仮面のパロディで「頭かくして体隠さず」の奇抜なコスチュームが青少年の劣情を直撃したお色気ナンセンスコメディ。 作者の数あるお色気もののなかでも本作は頂点に位置するので...

バイオレンスジャック(少年マガジン版)

1973年初出 永井豪講談社マガジンKC 全7巻 デビルマンに勝るとも劣らぬ大傑作、と言いたいところなんですが、当時少年マガジンで連載されたこのシリーズは残念ながら未完。 人気が伸び悩んだ、みたいな話をどこかで目にしたような気もするんですが...

永井豪SF傑作集

1971年~初出 永井豪講談社KCスペシャル 全4巻 永井豪のSF系の短編を集めた作品集。 以前、B6版全8巻で発売になってましたが、私が購入したのはそこから新デビルマンやスペオペ宙学の短編等を省いたA5版全4巻。 SF、と銘うたれてますが...

ズバ蛮

1971年初出 永井豪朝日ソノラマサンコミックス 全3巻 ズババン!って、擬音をそのままタイトルにしてしまうあたり、大丈夫か?と不安になったりもするもするのですが、これが意外によく出来た秀作。 戦国時代、大人顔負けの怪力無双少年ズバ蛮のもと...

ガクエン退屈男

1970年初出 永井豪朝日ソノラマサンコミックスワイド 全2巻 「旗本退屈男」のパロディか?それともオマージュか?と勘違いしちゃいそうなタイトルですが、内容的にはほぼ無関係。 学生運動をモチーフに、教師と学生の血みどろの殺し合いをマカロニウ...

魔王ダンテ(昭和版)

1971年初出 永井豪朝日ソノラマサンワイドコミックス 全2巻 プレデビルマン、と言っていい内容。 神と悪魔の最終戦争を逆転の構図で描いた作品で、ああ、作者のシリアスなSFバイオレンスの路線はここから発展していったんだ、と言うのが手にとるよ...

デビルマン

1972年初出 永井豪講談社マガジンKC 全5巻 文句のつけようがない歴史的傑作。 そりゃね、大人の目線で見れば、中盤やや中だるみとか、伏線の貼り方がわかりやすすぎてほとんどネタバレとか、色々ツッコミどころはあるんですが、72年にこれが少年...

マジンガーZ

1972年初出 永井豪講談社マガジンKC 全5巻 ロボットアニメの歴史を変えた画期的なシリーズなわけですが、はっきりいって漫画の方は他愛ないというか描き殴りというか、適当です。 そもそも東映動画との企画で生まれた作品であり、作者も今で言うと...

オモライくん

1972年初出 永井豪竹書房文庫 全2巻 最初は、なんだこりゃとりいかずよしの「トイレット博士 」か!?とあまりの汚さに驚愕したんですが、不潔で飯時に読めないのが共通しているだけで、描こうとしている事はまるで違うことに途中で気づく。 解説で...