マンガ

ドン・ドラキュラ

1979年初出 手塚治虫 実はこれこそが手塚先生の最高傑作なのではないか、と思うほど個人的に偏愛しているのがこの「ドンドラキュラ」だったりします。 そんなわけない!って一斉につっこまれそうですが。 ブラックジャックの後の連載だったので、なに...

マコとルミとチイ

1979~81年初出 手塚治虫 先生の家庭を題材にした子育てエッセイマンガ。 今では1ジャンルとして成り立っている「子育てもの」ですが、現代の作品と比較しても何ら遜色ありません。 さすが先生だなあ、と思うのは単に日常の描写だけにとどまらず、...

未来人カオス

1978年初出 手塚治虫 ちゃんと調べてはいないんですが、先生が最後に描いた少年SFでは、と思います。 残念ながら未完。 しかしながらこれがですね、やたらとおもしろいんです。 なぜこれが打ち切られてしまったのか不思議に思えてくるぐらい、アイ...

ユニコ

1976年初出 手塚治虫 今はなき少女漫画雑誌リリカに掲載された作品。 伝説の一角獣であるユニコーンの子供、ユニコを主人公にしたディズニーアニメ風の寓話、というかおとぎ話。 美の女神、ビーナスの反感をかい、時空を超えて常にさすらわねばならな...

MW

1978年初出 手塚治虫 何故か09年映画化されましたが、なにゆえこの作品?と思いましたねえ。 もっと出来のいい作品はいっぱいあるのに、と。 悪徳を行使するスリルを描いた、インモラルでタブーな作品にしたかったようですが、結局アラバスターと同...

どろんこ先生

1974~75年初出 手塚治虫 読売新聞日曜版に連載された1回3ページほどの漫画。 ちょっとすっとぼけていて熱血漢な先生の奮闘記。 まあ特にこれといってどうだ、というほど特徴ある内容でもなくて困ったものです。 併録されている「ぐうたろう千一...

一輝まんだら

1975年初出 手塚治虫 2.26事件で近代史に名高い北一輝を多面的に描こうとした歴史ドラマ。 残念ながら未完。 連載していた雑誌の編集方針が変わったため連載が続けられなくなったらしいんですが、そりゃ漫画サンデーでこの内容はなあ、と思わなく...

シュマリ

1974年初出 手塚治虫 明治維新直後の北海道を舞台に、未開の荒野と悪戦苦闘しながら生き抜こうとする主人公シュマリの活躍を描いた歴史大作。 最初のプロットは侵略されるアイヌ人部落と内地人の紛争をシュマリを通して描く、みたいな感じだったらしい...

三つ目がとおる

1974年初出 手塚治虫 やや荒唐無稽でこじつけと思えるような謎解きもあり、漫画ならではの適当さが危うかったりもするんですが、それでも普通以上におもしろいんだからさすが先生としか言いようがない1作。 あまり自信はないんですが、漫画における伝...

日本発狂

1974年初出 手塚治虫 タイトルからして凄いことになってるんですが、やはりこれは「日本沈没」のもじり?などと思ったりもするわけです。 高一コースに連載された、死後の世界をテーマに幽霊の存在を解き明かそうとする一作なんですが、いやはや支離滅...

メタモルフォーゼ

1974~77年初出 手塚治虫 月刊少年マガジンに連載された「変身」をテーマにした連作短編。 突出した一作は特になかったりもするんですが、「すべていつわりの家」や「おけさのひょう六」の出来はなかなかのもの。 先生らしい一冊。 安心して読める...

ミクロイドS

1973年初出 手塚治虫 アニメ版のミクロイドSは、ミクロなヒーローを立脚せんとする勧善懲悪を強調した作品でしたが、原作に当たる本作は昆虫が一斉に人類を攻撃しだしたらどうなるか、という仮想を描いたパニックSFの傑作だったりします。 これを原...

ユフラテの樹

1973年初出 手塚治虫 人間を超人化する魔法の木の実を巡って、3人の中学生が、それぞれのエゴから禁忌をやぶって世界を破滅に導こうとする、という内容の学園もの風SF。 創世記にでてくる知恵の木の実を元ネタに発展させたか、と言った内容で、まあ...

ゴッドファーザーの息子

1973~82年初出 手塚治虫 主に少年ジャンプに掲載された短編を集めたもの。 表題作であり、自伝的内容である「ゴットファーザーの息子」がやはり一番良くできているか、と思うんですが「ずんべら」も学園推理ものの先駆けのような内容で、思いのほか...

ブラックジャック

1973年初出 手塚治虫 あまりにも有名すぎるこの漫画に一体何を書けばよいのか、といった感じではあるんですが、久しぶりに再読してみて、まるで変わらぬおもしろさに仰天、落涙した次第です。 いやー泣かされた。 で、感動した。 バカみたいに毎日漫...

鉄の旋律

1972~74年初出 手塚治虫 何故か近年、この作品を少年チャンピオンでリメイクして連載している漫画家がいましたが、数ある手塚作品の中で、なにゆえこの「鉄の旋律」なのか、正直よくわからん、といいたくなる水準で本作、微妙な出来だったりします。...

ダスト8

1972年初出 手塚治虫 飛行機事故で奇跡的に生還した8人を、亡き者にしようとする超常の存在が・・・というストーリーの運命論的ホラーファンタジー。 え、ファイナルデスティネーション(2000)じゃないかこれ、と私は大変驚かされました。 映画...

タイガーブックス

1972~82年 手塚治虫 主に少年誌を中心に掲載された短編、中編を収録したシリーズ。 浅い巻でやたら動物が出てくるので、なるほどそれでタイガーブックスか、と思ったんですがそういうわけでもないみたいです。 統一性のない雑多な内容の作品が収録...

サンダーマスク

1972年初出 手塚治虫 テレビの企画が先で、それに準じて先生が漫画化された作品。 テレビ版サンダーマスクはメディア化されず封印された作品として、好事家の話題にのぼりましたが、漫画を読む限りではなんてことのないウルトラマン型のヒーローアクシ...

火の山

1972~79年初出 手塚治虫 表題作「火の山」を中心に4編の短編を収録した1冊。 時代劇からサイコキラーなサスペンスまで、多彩な内容ですが、それほど完成度の高いものはなし。 表題作も昭和新山とその観測者三松氏の物語、という題材の珍しさが目...

奇子

1972年初出 手塚治虫 手塚青年マンガの中でも群を抜いて暗くて救いのない一作。 戦後の閉塞した村社会で家父長制が生々しく生き残った大地主一家の物語なんですが、作中の、これでもかとインモラルでドロドロの人間関係が目を背けたくなるほど息苦しく...

鳥人大系

1971年初出 手塚治虫 ある日突然、鳥類と言う鳥類の知能が一斉に高まり、もし人類を敵対視しだしたら・・というお話。 最終的に人類は抵抗もむなしく地球の支配層としての地位を奪われ、家畜と化し、主従は逆転、さて地球の歴史はどうなっていくのか?...

ブッダ

1972年初出 手塚治虫 手塚版お釈迦様の一生なわけですが、各方面の評価の高さとは裏腹に私は、こりゃやっぱり「絵解き」だよなあ、と思う次第です。 先生にしか描けなかったブッダ、では決してないように感じるんですね。 仏典に伝えられるものとの違...

ショートアラベスク

1970~73年初出 手塚治虫 主に小説サンデーに掲載されたショートショート集。 漫画でショートショートって珍しいと思うんですが、これが実に良くできていて驚き。 「反射」の巧みさや「紐」のナンセンスさはお見事の一言。 一番おもしろかったのは...