1973年初出 手塚治虫
あまりにも有名すぎるこの漫画に一体何を書けばよいのか、といった感じではあるんですが、久しぶりに再読してみて、まるで変わらぬおもしろさに仰天、落涙した次第です。
いやー泣かされた。
で、感動した。
バカみたいに毎日漫画読んでるスレたオッサンの心を今更ここまで動かすのだから、やはり本物だ、とつくづく思わされました。
医学知識の不備による荒唐無稽さを指摘されて当時は結構糾弾された漫画ですが、そんなことは本当にどうでも良いと思える完成度。
というかもう、マジでどうでもいい。
先生が描こうとしていたことはそんな事じゃない、ってぐらいのことはこの漫画に心動かされた人ならきっとわかることと思います。
少年漫画として、これ以上何を望むのか、とあたしゃ言いたい。
アウトサイダーが活躍する医療をテーマとした漫画として、人間ドラマとして前人未踏であり、まさにオリジナルであり、先駆であり、いまだ誰一人としてこの分野で同じ頂に足をかけた漫画家は存在しない、と私は思います。
これを名作と呼ばずしてなにを名作というのか、のレベルですね。
火の鳥と双璧をなす代表作でしょうね。