マンガ

思春期100万年

1972年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 何故か眠ってしまうと前世や来世の記憶をたぐる奇病にとりつかれてしまった主人公のSFファンタジー。 おそらくここからミライザーバンへつながっていったのではないか、と思うんですが、本書の段階で...

男おいどん

1971年初出 松本零士講談社マガジンKC 全9巻 作者の名をメジャーにした出世作であり、怒濤のマンネリズム四畳半ものの代表格。 しかしこれが少年マガジン掲載って、凄いなあ、と思います。 どう考えても少年読者が押入のパンツの山とサルマタケに...

聖凡人伝

1971年初出 松本零士奇想天外社 全9巻 作者の偉大なるマンネリズム、四畳半もの。 大四畳半大物語とほとんど何も変わりません。 隣のマンションに美人のオーナーがいて主人公に好意的であるとか、セックスコンサルタントのオヤジが隣の部屋にいると...

闇夜の鴉の物語

1971~81年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>闇夜の鴉の物語四つの瞳つるすべき多くの女やけ坂のやけ酒屋先天性充血魔無偉人伝説夜あるき猫 あちこちの雑誌に掲載された短編をまとめた一冊。 発表年代の新しいものは絵柄も現在...

パニックワールド

1971年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>パニックワールド夜行都市のミライ黒死鳥4444黄色い兎 少年キングに4回にわたって連載された中編「パニックワールド」をメインに、短編3作を収録した1冊。 やはり表題作の出来が一...

空間機甲団

1971年初出 松本零士奇想天外社 <収録短編>空間機甲団マシンナーバン大宇宙番外地ダフィン大野蛮人帯妄想圏消滅大個人戦争模型の時代 総じて、セクサロイドやミステリーイブに通ずる世界観を持つ短編が多いですね。 つまりは初期の冴えなさみたいな...

ヤマビコ13号

1971年初出 松本零士奇想天外社 <収録短編>銀河鉄道の夜ネアンデルタール大魔女王第3紀大サルマタケ博物史ヤマビコ13号 これといって突出した短編はないんですが、やはりなんと言っても注目は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を漫画化していることでし...

元祖大四畳半大物語

1970年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 全6巻 作者の偉大なるマンネリズム、四畳半シリーズの原点にあたる作品がこれ。 しかしながら原点にしてストーリーもシナリオ構成もあったもんじゃなし。 職なし金なし彼女なしの短足眼鏡の貧乏人、...

ミステリー・イヴ

1970年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 全2巻 セクサロイドと同傾向の作品、といっていいと思いますね。 宇宙からやってきた他星人であるイヴが主人公と情事を重ねながら、地球を侵略しようとする悪辣な宇宙人と2人で闘う、というストーリ...

四次元世界

1969年初出 松本零士小学館文庫 私が読んだのは合本になる前の旧版全2巻。 COMに連載された連作短編、四次元世界シリーズを収録したもの、と思われますが、シリーズに属さない他の短編も含まれているような気も。 基本どれもSFなんですが、まあ...

マシンナーズ

1969年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 初期の秀作。 近未来、何故か日本人だけが絶滅した地球で、長期の星間航行から戻った主人公モリが単身その謎を探るための放浪の旅を描いた物語。 今読むといささか陳腐なガジェットや演出、設定は確か...

魔境惑星の恋人

1969~80年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>魔境惑星の恋人シティD60001年愛するレイインパルスドーム猿人1470号空白帯のひとりむすこ地底潜水艦サケザン雷帝 適当にエロティックで適当に悲劇的なSFが多く、とりた...

セクサロイド

1968年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 全4巻 近未来を舞台としたSFスパイ活劇。 当時の流行なんかも取り入れてのスパイものなんでしょうが、設定は結構いい加減です。 そもそも物語の基本パターンとして、主人公がパートナーであるセク...

ダイナソア・ゾーン

1968年~70年初出 松本零士日本文芸社ゴラクコミックス <収録短編>ダイナソアゾーンコスモレディSSミユから来た女大魔女境グレートウエスタンL婦人漂流記未来盗賊アリババ妖女セレスト 主に漫画ゴラクに掲載された短編を集めたもの。 大人向け...

火星令嬢

1968~74年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>ゼスラス第3紀太陽系狙撃兵天地創造第二番オルバース幽霊夫人ネアンデルタールマシンナーバン冬眠惑星大魔女王第3紀火星令嬢 2015年現在、この短編集以前の作品も刊行されてい...

グリンゴ

1987年初出 手塚治虫 三作ある遺作のうちのひとつ。 背が低いことにコンプレックスを持つ、典型的な仕事人間の主人公が人事異動で南米へ着任し、日本的常識の通じない異国で悪戦苦闘する様を描いたある種のサラリーマンもの。 家庭よりも仕事ながむし...

ルードウィヒ・B

1987年初出 手塚治虫 三作ある遺作の中のひとつ。 かの有名なベートーベンの生涯を描いた大作。 ベートーベンを憎悪するフランツというキャラが作中に登場し、史実とは異なる関係性の描写があるので、物語には手塚流の改変、演出があるんでしょうが、...

ネオ・ファウスト

1988年初出 手塚治虫 三作ある遺作のうちのひとつ。 第2部の第1回を描き進めたぐらいのところで絶筆。 ああ、いいところで終わってるなあ、とはがゆいかぎりなんですが、作品自体の完成度はちょっと危うい感じも。 ファウストの現代版をやろうとい...

ミッドナイト

1986年初出 手塚治虫 ブラックジャックがあまりにヒットしたがために、その呪縛から逃れることが出来ず、二番煎じ、三番煎じとして連載された作品、といっていいでしょう。 アウトローで一匹狼な無免許タクシードライバーの話なんですが、これがねー、...

ゴブリン公爵

1985年初出 手塚治虫 中国の遺跡から発掘された巨大人型兵器、燈台鬼を巡って、それを平和利用しようとする組織と、悪用しようとする側の攻防を描いたSFアクション。 雛形は魔神ガロンでありブルンガ1世であり、昔から先生が得意としたパターンで、...

ブッキラによろしく

1985年初版 手塚治虫 性格の屈折した天然3流タレント、根沖トロ子を主人公に、何故かトロ子にだけなつく謎の子供の妖怪ブッキラをコミカルに描いたオカルトコメディ。 あんまりぱっとしなかった作品だし、どうもうち切られたっぽいんですが、私は昔か...

アドルフに告ぐ

1985年初出 手塚治虫 アドルフヒットラー、市井のユダヤ人のアドルフ、ナチの幹部のアドルフカウフマン、そこに日本人、峠草平を交えて激動の戦前、戦中、戦後を描いた歴史ドラマ。 タイトルは「3人のアドルフ」でも良かったかも知れないですね。 た...

プライム・ローズ

1982年初出 手塚治虫 ファンタジー仕立ての長編SF。 中世的世界観を下敷きにしたファンタジーって、リボンの騎士以来ではないか、と思ったりもしたんですが、あれはあれでまた別物か。 やたら露出の高い主人公のコスチュームは当時アニメにもなって...

七色いんこ

1981年初出 手塚治虫 ドン・ドラキュラの人気が低迷したこともあり、再びブラックジャックのようなものを、ということでしょう。 演劇の世界を舞台に、代役専門のアンチヒーローを描いた作品ですが、とりあえずキャラ設定に無理がある、と私は思いまし...