1972年初出 手塚治虫

テレビの企画が先で、それに準じて先生が漫画化された作品。
テレビ版サンダーマスクはメディア化されず封印された作品として、好事家の話題にのぼりましたが、漫画を読む限りではなんてことのないウルトラマン型のヒーローアクションです。
とはいえ先生、自分が執筆する以上は差別化をはかりたかったのか、ご自身が狂言回しとして登場したりと、テレビドラマにない工夫を色々しておられてですね、これが予想外に読み応えがあったりするんですね。
ああ良くできてるなあ、と思ったのは最終的に本作をむくわれぬ悲恋ものに仕立て上げたこと。
いやこりゃお見事だと思う。
侮れない一作だと思いますね。
テレビの印象とはまた違う側面が印象的な秀作だと思います。