1972年初出 手塚治虫
飛行機事故で奇跡的に生還した8人を、亡き者にしようとする超常の存在が・・・というストーリーの運命論的ホラーファンタジー。
え、ファイナルデスティネーション(2000)じゃないかこれ、と私は大変驚かされました。
映画から遡ること約30年前に既にこのアイディア。
さすが先生、としかいいようがありません。
死を全うさせようと生き残った8人の所へやってくる死神「キキモラ」と、死にたくない8人の生と死のドラマが本作の見所なんですが、キキモラがホラータッチな死神ではなく、かわいらしい少女なので、ちょっと徹し切れてないかな、と思ったり、なんとなく人情オチになってしまう回もあって、作品自体の完成度はあんまり高くないんですが、それでも本作のプロットって、後続の作品に連なるものが間違いなくあると思うんですね。
映画もそうですが、ヤングサンデーで連載されてたイキガミとか間違いなくこの作品の流れの中にあるように思います。
72年にしてすでにもうこういう事をやってるという凄さに私は感嘆しましたね。
恐るべしマンガの神様。
チェックしてみる価値は充分あるように思います。