少女漫画

一万十秒物語

1981年初版 倉多江美白泉社花とゆめコミックス 全3巻 テーマも設定も同じくしない連作ショートショート集。 星新一の文庫本でも読んでるような気になります。 当時のみならず、男性誌を含めても、こういう試みをしてる漫画作品って、ほとんどないよ...

樹の実草の実

1976~77初出 倉多江美白泉社花とゆめコミックス <収録短編>樹の実草の実イージーゴーイングフェイブルくんの夢赤ずきん君メニュー自慢終末釘球面三角 バラエティ豊かな短編集。 コミカルなものからシリアスなものまで、初期の一万十秒物語も収録...

エスの解放

1978年初出 倉多江美白泉社花とゆめコミックス これは一体何なんだ?と初読時、唸らされたのがこの一冊。 まあ少なくとも少女マンガではないですね。 遠くへ行っちゃってるというかサイケというか、私はなんとなくつげ義春の「ねじ式」を思いだしたり...

ワン・ゼロ

1984年初出 佐藤史生小学館プチフラワーコミックス 全4巻 今読み直してこそこりゃ凄いと実感できる漫画かも知れないですね。 なんと言ってもですね、まだインターネットどころか携帯すらまるで普及していなかった時代にネットワークと神の存在に着目...

夢みる惑星

1980年初出 佐藤史生小学館文庫 全3巻 恐竜の闊歩するどこか遠くの見知らぬ惑星を舞台に、中世封建的な社会を形成するアスカンタ王国と、その第一王子イリスを描いた異世界ファンタジー。 ある種の貴種流離譚とも言える内容かと思うんですが、これが...

最終戦争

1981年初出 山田ミネコ東京三世社 もう恐ろしく長い間、出版社を変え描き続けられているシリーズらしいんですが、まったくそんなことは知らずに手にとった一冊。 えーお手上げです。 私がざっと調べただけでも短編、外伝を含め26タイトルが各出版社...

たたらの辻に…

1987~90年初出 ささやななえこ角川ホラー文庫 急死した祖母の家で、二人暮しを始めた義理の姉弟を主人公とした連作伝奇ホラー。 ささやさんの作品を熱心に追っているわけではないので断言は出来ませんが、恐怖路線の作品としては作者最高傑作なので...

化生曼陀羅

1984年初出 ささやななえこハヤカワコミック文庫 非常に長い間、女の怨念を描いたサスペンス、と思い込んでいたのですが、全くの勘違いであったことが今回の通読で判明。 一体どこであたしゃそのような偽情報を仕入れてきたのか。 さっぱりわからない...

白木蓮抄

1977~80年初出 花郁悠紀子秋田漫画文庫 <収録短編>白木蓮抄不死の花百の木々の花々緑蔭行路それは天使の樹幻の初恋 SFの人か、と思っていたらなんでも描ける人であらためて驚かされた、ってなところでしょうか。 能を題材にした幻想的な作品か...

フェネラ

1977~80年初出 花郁悠紀子秋田漫画文庫 <収録短編>フェネラ昼下がりの精霊水面に咲く風に哭く 伝説の女流漫画家、花郁悠紀子のSF系の短編ばかりを集めた作品集。 いや、正直唸らされましたね。 表現手法は当時の少女マンガの様式に沿ったもの...

白眼子

2000年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 未来を予見する能力を持つ白眼子と呼ばれる盲目の男の物語。 舞台は戦後の北海道でストーリーは白眼子に拾われた少女の目線で進行していくんですが、当時の世相や風俗、文化の描写が恐ろしくリアルで舌を...

パイド・パイパー

1990~91年初出 山岸 凉子集英社YOUコミックス <収録短編>パイドパイパー蜃気楼負の暗示 サイコサスペンスの秀作といっていいのが表題作「パイドパイパー」 作者らしい鮮やかな手際の一作。 「蜃気楼」は過去さんざんあったパターンの、男と...

1995年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 今はなきコミックトムに掲載された作品。 呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といっ...

山岸凉子 あすかコミックス5冊

1987年初版 時じくの香の木の実<収録短編>常世長鳴鳥/青海破/副馬/天沼矛/水煙/時じくの香の木の実 「常世長鳴鳥」は体が弱く美しい姉と健康だが凡庸な妹の愛憎劇を描いたサスペンス。過去に似たようなテーマの短編がいくつかあったような。お得...

日出処の天子

1980年初版 山岸 凉子白泉社 花とゆめコミックス 全11巻 どちらかと言えば短編の名手だという認識があるんですが、それすらさしおいて本作は歴史改変もの不朽の名作長編だと思う次第。 舞台は大化改新以前の日本で主人公は聖徳太子。 よくまあこ...

山岸凉子の短編集 14冊

1972年初出 ゲッシング・ゲーム(集英社セブンティーンコミックス) 掲載紙の性格上の問題もあるとは思うんですが、個人的には相当きつかった長編。第一話は72年に描かれているので初期の作品と言っていいと思います。もう、何もかもが古い。ストーリ...

グーグーだって猫である

1996年初出 大島弓子角川書店 全6巻 2008年に映画化もされ、綿の国星以来と言っていいほど話題になった作品ですが、ああ大島さんも年とっちゃったなあ、ってのが正直な感想。 猫を擬人化して描くというマンガでしか表現し得ない革新的な手法を実...

ロストハウス

1993~95年初出 大島弓子角川書店ヤングロゼコミックス <収録短編>青い固い渋い8月に生まれる子供ロストハウスクレイジーガーデン1,2 やはり出色の出来なのは「8月に生まれる子供」か。 突如老化していく奇病に冒された主人公の、残酷にも痴...

大島弓子 あすかコミックス6冊

1987年初出 秋日子かく語りき<収録短編>秋日子かく語りき/ロングロングケーキ/庭はみどり川はブルー/水の中はティッシュペーパー 意外にも全編がなにやらSFっぽいテイストの香る短編集。一番完成度の高いのはやはり表題作「秋日子かく語りき」か...

大島弓子選集 第1期

1968~71年初出 1巻 誕生<収録短編>ポーラの涙/ぺールの涙/デイトははじめて/フランツとレーニ/詩子とよんでもういちど/男性失格/誕生/夏子の1日/あしたのともだち/みち子がきた日 購入当時はあまりの古さにとても最後まで読めなかった...

バルバラ異界

2002年初出 萩尾望都小学館フラワーコミックス 全4巻 フラワーズを読んでいる女性読者は本当にこの内容についていけたのだろうか?と思えるほどガチでSFです。 しばらく少女漫画から遠ざかっていた時期があったもんで、本当に久しぶりに触れた萩尾...

萩尾望都作品集 第Ⅱ期

1巻、2巻 百億の昼と千億の夜はこちらのページ 1978年初出 3巻、4巻 スター・レッド 私の中で萩尾SFが完成した、と感じたのはこの作品から。舞台は火星で、しかも超能力バトルものだったりして、これといって目新しい試みは特にないんですが、...

萩尾望都作品集 第Ⅰ期(抜粋)

1969~73年初出 1巻 ビアンカ<収録短編>ルルとミミ/すてきな魔法/クールキャット/爆発会社/ビアンカ/ポーチで少女が子犬と/ベルとマイクのお話/雪の子/千本めのピン 萩尾望都の最初期の短編を集めた一冊。80年代の作者の作品に慣れ親し...

遥かなり夢のかなた

1975~80年初出 竹宮恵子小学館文庫 <収録短編>遙かなり夢のかなた集まる日オルフェの遺言夢見るマーズポート決闘2108年西暦2763年の童話ジルベスターの星から真夏の夜の夢夜は沈黙のとき SF系の作品ばかりを集めた短編集。 「遙かなり...