1995年初出 山岸 凉子
潮出版社希望コミックス

今はなきコミックトムに掲載された作品。

呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といった印象も否めず。

過去の短編を引き延ばして雄弁になっただけ、という気がしなくもありません。

ちょっと青臭いオチか、と思う反面、こういう形で「救い」を描いたのは初めてじゃないのか、と感じられたのが唯一の収穫か。

初めて山岸作品を読む分には良いかも知れませんが、過去の短編の恐るべき切れ味を知る身としてはいささかもの足りない印象はどうしたってありますね。

物語としては堅実で破綻がないんで、これでもの足りないってどういうことだ?!と怒られそうではありますが。

まあその、かほどに70~80年代が凄かった、ということで、はい。

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