1976~77初出 倉多江美
白泉社花とゆめコミックス
<収録短編>
樹の実草の実
イージーゴーイング
フェイブルくんの夢
赤ずきん君
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自慢
終末
釘
球面三角
バラエティ豊かな短編集。
コミカルなものからシリアスなものまで、初期の一万十秒物語も収録。
やはり一番の読み所は「球面三角」か。
なんだこれ、諸星か、と言いたくなるような伝奇ホラーの秀作。
こういうのも描けるのか、とちょっと驚かされましたね。
実態のつかめない漫画家だ、倉多江美。
異色作「エスの開放」につながるような試みはまだ見受けられず、作者自身があれこれ試行錯誤をしているような印象も受ける一冊ですが、意外に手広くなんでもやれる漫画家であることを知らしめてる内容ではありますね。
作画が本当に硬くて、スカスカに感じたりもするんですけど、ファンなら作者初期の作風を興味深く感じるんじゃないでしょうか。