鳥人大系

1971年初出 手塚治虫 ある日突然、鳥類と言う鳥類の知能が一斉に高まり、もし人類を敵対視しだしたら・・というお話。 最終的に人類は抵抗もむなしく地球の支配層としての地位を奪われ、家畜と化し、主従は逆転、さて地球の歴史はどうなっていくのか?...

ブッダ

1972年初出 手塚治虫 手塚版お釈迦様の一生なわけですが、各方面の評価の高さとは裏腹に私は、こりゃやっぱり「絵解き」だよなあ、と思う次第です。 先生にしか描けなかったブッダ、では決してないように感じるんですね。 仏典に伝えられるものとの違...

アイスマン 超空の戦士

中国/香港 2014監督 ロー・ウィンチョン脚本 マーク・ウー、ラム・フォン、トニ・シュム 壮大なスケールのSFアクションなのかしら、と思って見始めたんですが、ああやっぱり香港ではまだそういうのは撮れないのね、とがっくりきた1本。 つーか、...

ショートアラベスク

1970~73年初出 手塚治虫 主に小説サンデーに掲載されたショートショート集。 漫画でショートショートって珍しいと思うんですが、これが実に良くできていて驚き。 「反射」の巧みさや「紐」のナンセンスさはお見事の一言。 一番おもしろかったのは...

キャリー

アメリカ 1976監督 ブライアン・デ・パルマ原作 スティーブン・キング なんて救いのない映画を撮るんだ、と。 キングの原作に忠実なのかどうかよくわからないんですが、この作品が語っているのは、不幸は連鎖し、負のスパイラルは断ち切ることが出来...

火の鳥

1967年初出 手塚治虫 おそらくこのシリーズが私のマンガにおけるSF原体験。 初めて読んだのは多分小学校高学年ぐらいのころだったと思います。 卑弥呼や武家社会を描いた作品は子供の脳味噌では理解できない歴史観に混乱させられ、ぴんとこなかった...

悪魔のシスター

アメリカ 1973監督 ブライアン・デ・パルマ脚本 ブライアン・デ・パルマ、ルイザ・ローズ オープニングからして非常に薄気味悪いです。 これ、生理的に大丈夫なのか私?と不安にさせるものがあったりするんですが、一転、物語序盤は芸能界の底辺で生...

囚われの女

フランス/イタリア 1968監督、脚本 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー クルーゾー、最後の監督作品。 現代美術のギャラリーを運営する青年の、おかしな倒錯趣味に徐々に惹かれていく人妻の揺れ動く心理を描いた作品。 文章だけで読むと安いポルノビデ...

きりひと讃歌

1970年初出 手塚治虫 だいたい先生の青年向き漫画は半分ぐらいが暗すぎてしんどい、と私は密かに思ってたりするんですが、その中でも例外的にやたらとおもしろいのが本作だったりします。 モンモウ病という謎の奇病をでっち上げてその正体にジリジリ迫...

アポロの歌

1970年初出 手塚治虫 異色の性教育漫画、などと言われたりしてますが、そんなご大層なものでもなし。 多分後づけで誰かが言ったんでしょうね。 愛情に恵まれない子供時代を送り、屈折した青年になってしまった主人公が、何故か人知を超越した存在の力...

ボンバ!

1970年初出 手塚治虫 作品のテーマ、シナリオ構成とも、後に発表される「鉄の旋律」と非常に似通ったものがあり、違いがあるとすればこちらの方がいささか救いがあるか、ってことぐらい。 ああこりゃ低迷期の作品だなあ、って感じです。 何故同じネタ...

アバンチュール21

1970年初出 手塚治虫 初期の名作「地底国の怪人」のセルフリメイク。 何とか時代にそぐうようにもっともらしくあれこれ装飾、改変がなされてますが、地底探検、というプロット自体が焼き直すにはまだ早すぎたような気もします。 もちろんオリジナルよ...

気狂いピエロの決闘

スペイン/フランス 2010監督・脚本 アレックス・デ・ラ・イグレシア サーカス団で二人のピエロが美女を巡って殺し合い、というプロット自体は、嫌いではないんです。 泣き虫ピエロのハビエルがどんどん身を持ち崩していって、サイコキラー化していく...

人間昆虫記

1970年初出 手塚治虫 周りの人間を模倣することによって世の中を器用に渡っていく女の遍歴を描いた異色の人間ドラマ。 過分に70年代的。 結局何が描きたかったのかよく分からない、っては正直ありますね。 マキャベリアンとしてたくましく生きてい...

アラバスター

1970年初出 手塚治虫 透明人間になり損なった半透明人間を主役にしたダークヒーローものなんですが、悪徳を行使するスリルを上手に描き損なった、ってなところでしょうか。 主人公アラバスターが何を考えているのかいまいちよくわからない、というのは...

リトルショップ・オブ・ホラーズ

アメリカ 1986監督 フランク・オズ音楽 アラン・メンケン、マイルズ・グッドマン ロジャー・コーマンが1960年に撮ったブラックコメディのリメイク版なんですが、実はミュージカルとして舞台化された後のリメイクで、その影響もあってか、映画版も...

やけっぱちのマリア

1970年初出 手塚治虫 ベッドの中の脚を描いただけで警察に呼び出しをくらった時代を経て、大胆な性描写や裸がある程度緩和されて少年誌に載り出した頃、先生が「こっちは描けなくて控えていたのじゃない、描きたくても描けない時代の苦労なんかおまえた...

ラビッド

カナダ 1977監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 先進的な医療を試したがため、肉体に変異を起こしてしまった女が、無差別に血を求め、次々と感染者を増やしていく、という、吸血鬼を下敷きにしたパニックホラーなんですが、とりあえず初期設定が...

ふしぎなメルモ

1970年初出 手塚治虫 テレビアニメの企画が先行して執筆された作品。 当時、幼年誌3誌に同時に連載が始まったらしいんですが、ほとんどの原稿を後に紛失。 単行本化された原稿は先生自身が「一番つまらかったもの」と公言されているもので、実際確か...

I.L(アイエル)

1969年初出 手塚治虫 売れなくなった映画監督を狂言回しに、何にでも化けられる人外の魔性「I.L」が入れ替わりをかってでることによっておこる悲喜こもごものドラマを描いた作品。 一話完結形式。 全14話中、優れた話もあるんですが、そもそも「...

マッド・ナース

アメリカ 2013監督 ダグ・アーニオコスキー脚本 ダグ・アーニオコスキー、デヴィッド・ロッカリー ホラーファンにはおおむね好評だったようなので、結構な期待でもって見たのですが、は?なんだこれ?というのが正直な感想でした。 もっと悪ノリしま...

鬼丸大将

1969年初出 手塚治虫 そもそも別に原作があり、原作にそって連載を始めたが途中から先生が好き放題改変して全く別の物語になった、という特殊な作品だったりします。 平安時代を舞台に、海の向こうから漂着した外国人を「大江山の鬼」にみたててストー...

海のトリトン

1969年初出 手塚治虫 海洋冒険もの、と言いたいところですが、本作の場合、人類はどちらかというと脇役&悪役で、人類とは似て否なる知的海洋生物トリトン族とポセイドン族の洋上での覇権争いを中心に物語は進みます。 とはいえ、トリトン族はポセイド...

ザ・クレーター

1969年初出 手塚治虫 主に少年チャンピオンに連載されたSF/ホラータッチの短編を集めたもの。 先生はあとがきで、出来に差がなく一定のレベルを保持した連作短編集と仰ってるますが、個人的にはそうとは思えない、と言うのが正直なところだったりし...