日本発狂

1974年初出 手塚治虫 タイトルからして凄いことになってるんですが、やはりこれは「日本沈没」のもじり?などと思ったりもするわけです。 高一コースに連載された、死後の世界をテーマに幽霊の存在を解き明かそうとする一作なんですが、いやはや支離滅...

メタモルフォーゼ

1974~77年初出 手塚治虫 月刊少年マガジンに連載された「変身」をテーマにした連作短編。 突出した一作は特になかったりもするんですが、「すべていつわりの家」や「おけさのひょう六」の出来はなかなかのもの。 先生らしい一冊。 安心して読める...

ジェミニマン

アメリカ 2019監督 アン・リー脚本 デヴィッド・ベニオフ、ビリー・レイ、ダーレン・レムケ DIA(アメリカ国防情報局)にやとわれている凄腕スナイパー(51歳)が、若い頃の自分(23歳)に狙われて命のやりとりをする羽目になるお話。 狙われ...

エイリアン4

アメリカ 1997監督 ジャン=ピエール・ジュネ脚本 ジョス・ウェドン ええっ?あのジュネがエイリアン?と当時は仰天したものですが、いや、よくがんばったよ、と、今あらためて見てもですね、つくづく思いますね。 やっぱりエイリアンの世界観ってジ...

ミクロイドS

1973年初出 手塚治虫 アニメ版のミクロイドSは、ミクロなヒーローを立脚せんとする勧善懲悪を強調した作品でしたが、原作に当たる本作は昆虫が一斉に人類を攻撃しだしたらどうなるか、という仮想を描いたパニックSFの傑作だったりします。 これを原...

ユフラテの樹

1973年初出 手塚治虫 人間を超人化する魔法の木の実を巡って、3人の中学生が、それぞれのエゴから禁忌をやぶって世界を破滅に導こうとする、という内容の学園もの風SF。 創世記にでてくる知恵の木の実を元ネタに発展させたか、と言った内容で、まあ...

ゴッドファーザーの息子

1973~82年初出 手塚治虫 主に少年ジャンプに掲載された短編を集めたもの。 表題作であり、自伝的内容である「ゴットファーザーの息子」がやはり一番良くできているか、と思うんですが「ずんべら」も学園推理ものの先駆けのような内容で、思いのほか...

フューリー

アメリカ 1978監督 ブライアン・デ・パルマ原作 ジョン・ファリス キャリー(1976)がヒットしたので柳の下、って感じで撮ったんでしょ?みたいな揶揄的な評価をされがちですが、私、これはこれで悪くない、と思っていたりします。 現実に存在す...

シーバース

カナダ 1975監督、脚本 デヴィッド・クローネンバーグ 人間を色情狂にする寄生虫が狂信的な教授の手で作り出され、隔離的環境の島で爆発繁殖する、というストーリーのなんだかよくわからないパニックSF。 うーむ、クローネンバーグも1日にしては成...

ブラックジャック

1973年初出 手塚治虫 あまりにも有名すぎるこの漫画に一体何を書けばよいのか、といった感じではあるんですが、久しぶりに再読してみて、まるで変わらぬおもしろさに仰天、落涙した次第です。 いやー泣かされた。 で、感動した。 バカみたいに毎日漫...

鉄の旋律

1972~74年初出 手塚治虫 何故か近年、この作品を少年チャンピオンでリメイクして連載している漫画家がいましたが、数ある手塚作品の中で、なにゆえこの「鉄の旋律」なのか、正直よくわからん、といいたくなる水準で本作、微妙な出来だったりします。...

ダスト8

1972年初出 手塚治虫 飛行機事故で奇跡的に生還した8人を、亡き者にしようとする超常の存在が・・・というストーリーの運命論的ホラーファンタジー。 え、ファイナルデスティネーション(2000)じゃないかこれ、と私は大変驚かされました。 映画...

タイガーブックス

1972~82年 手塚治虫 主に少年誌を中心に掲載された短編、中編を収録したシリーズ。 浅い巻でやたら動物が出てくるので、なるほどそれでタイガーブックスか、と思ったんですがそういうわけでもないみたいです。 統一性のない雑多な内容の作品が収録...

サンダーマスク

1972年初出 手塚治虫 テレビの企画が先で、それに準じて先生が漫画化された作品。 テレビ版サンダーマスクはメディア化されず封印された作品として、好事家の話題にのぼりましたが、漫画を読む限りではなんてことのないウルトラマン型のヒーローアクシ...

セーラ 少女覚醒

アメリカ/ベルギー 2014監督、脚本 ケヴィン・コルシュ、デニス・ウィドマイヤー リメイク版ペット・セメタリーを手掛けることが発表されたケヴィン・コルシュ&デニス・ウィドマイヤー監督の劇場長編デビュー作(多分)。 女優を夢見るも、チャンス...

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

アメリカ 2019監督 アンディ・ムスキエティ原作 スティーブン・キング IT/イット(2017)の続編にして完結編。 前作から27年が経過したデリーの街を舞台に、再び殺人ピエロと相対峙することになるルーザーズの面々が描かれてます。 前作は...

RAW 少女のめざめ

フランス/ベルギー 2016監督、脚本 ジュリア・ディクルノー ベジタリアンとして育てられた少女の、肉食への渇望をエキセントリックに描いた作品。 裏テーマは、大人になりつつある少女の「性への目覚め」と言ったとことでしょうか。 序盤、獣医学部...

スターマン 愛・宇宙はるかに

アメリカ 1984監督 ジョン・カーペンター脚本 ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン 未知との遭遇とかE.Tとかがヒットして、ちょうど時代がまだ見ぬ宇宙の友人に興味を示していた頃の作品なんで、ファーストコンタクトからその後の描き...

火の山

1972~79年初出 手塚治虫 表題作「火の山」を中心に4編の短編を収録した1冊。 時代劇からサイコキラーなサスペンスまで、多彩な内容ですが、それほど完成度の高いものはなし。 表題作も昭和新山とその観測者三松氏の物語、という題材の珍しさが目...

アメリカン・マッスル

アメリカ 2014監督 ラヴィ・ダール脚本 ジョン・ファロン えー、古い話で恐縮なんですがドーベルマン(1997)みたいなぶっ飛んだアクションなのかな、と思ってたんです。 クレイジーで頭のネジのきれたキャラが大暴れするグラインドハウスみたい...

奇子

1972年初出 手塚治虫 手塚青年マンガの中でも群を抜いて暗くて救いのない一作。 戦後の閉塞した村社会で家父長制が生々しく生き残った大地主一家の物語なんですが、作中の、これでもかとインモラルでドロドロの人間関係が目を背けたくなるほど息苦しく...

複製された男

カナダ/スペイン 2013監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ原作 ジョゼ・サラマーゴ 近年注目してる監督の1人ですんで、相当な期待はあったのですが、今更こういう方向性の作品を撮るのかよ・・・と幾分落胆した1本がこれ。 この手の傾向の映画は若いうちに...

鳥人大系

1971年初出 手塚治虫 ある日突然、鳥類と言う鳥類の知能が一斉に高まり、もし人類を敵対視しだしたら・・というお話。 最終的に人類は抵抗もむなしく地球の支配層としての地位を奪われ、家畜と化し、主従は逆転、さて地球の歴史はどうなっていくのか?...

ブッダ

1972年初出 手塚治虫 手塚版お釈迦様の一生なわけですが、各方面の評価の高さとは裏腹に私は、こりゃやっぱり「絵解き」だよなあ、と思う次第です。 先生にしか描けなかったブッダ、では決してないように感じるんですね。 仏典に伝えられるものとの違...