1969年初出 手塚治虫
売れなくなった映画監督を狂言回しに、何にでも化けられる人外の魔性「I.L」が入れ替わりをかってでることによっておこる悲喜こもごものドラマを描いた作品。
一話完結形式。
全14話中、優れた話もあるんですが、そもそも「I.L」がいったいどういう性質のどういったパーソナリティをもつ妖怪変化なのかさっぱりわからないので何とも感情移入しにくいのは確か。
初期設定段階でのルール作りを放棄している作品だなあ、と。
どうにも尻の据わりが悪いんですね。
手塚先生はこれ、よくやっちゃうんですけど。
正直なところ売れなくなった映画監督は登場人物として必要なかったと思う。
なにかと微妙な作品、と言った印象ですね。
面白くないわけじゃないんですけど。