70年代

闇夜の鴉の物語

1971~81年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>闇夜の鴉の物語四つの瞳つるすべき多くの女やけ坂のやけ酒屋先天性充血魔無偉人伝説夜あるき猫 あちこちの雑誌に掲載された短編をまとめた一冊。 発表年代の新しいものは絵柄も現在...

パニックワールド

1971年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス <収録短編>パニックワールド夜行都市のミライ黒死鳥4444黄色い兎 少年キングに4回にわたって連載された中編「パニックワールド」をメインに、短編3作を収録した1冊。 やはり表題作の出来が一...

空間機甲団

1971年初出 松本零士奇想天外社 <収録短編>空間機甲団マシンナーバン大宇宙番外地ダフィン大野蛮人帯妄想圏消滅大個人戦争模型の時代 総じて、セクサロイドやミステリーイブに通ずる世界観を持つ短編が多いですね。 つまりは初期の冴えなさみたいな...

ヤマビコ13号

1971年初出 松本零士奇想天外社 <収録短編>銀河鉄道の夜ネアンデルタール大魔女王第3紀大サルマタケ博物史ヤマビコ13号 これといって突出した短編はないんですが、やはりなんと言っても注目は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を漫画化していることでし...

元祖大四畳半大物語

1970年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 全6巻 作者の偉大なるマンネリズム、四畳半シリーズの原点にあたる作品がこれ。 しかしながら原点にしてストーリーもシナリオ構成もあったもんじゃなし。 職なし金なし彼女なしの短足眼鏡の貧乏人、...

ミステリー・イヴ

1970年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 全2巻 セクサロイドと同傾向の作品、といっていいと思いますね。 宇宙からやってきた他星人であるイヴが主人公と情事を重ねながら、地球を侵略しようとする悪辣な宇宙人と2人で闘う、というストーリ...

ドン・ドラキュラ

1979年初出 手塚治虫 実はこれこそが手塚先生の最高傑作なのではないか、と思うほど個人的に偏愛しているのがこの「ドンドラキュラ」だったりします。 そんなわけない!って一斉につっこまれそうですが。 ブラックジャックの後の連載だったので、なに...

マコとルミとチイ

1979~81年初出 手塚治虫 先生の家庭を題材にした子育てエッセイマンガ。 今では1ジャンルとして成り立っている「子育てもの」ですが、現代の作品と比較しても何ら遜色ありません。 さすが先生だなあ、と思うのは単に日常の描写だけにとどまらず、...

未来人カオス

1978年初出 手塚治虫 ちゃんと調べてはいないんですが、先生が最後に描いた少年SFでは、と思います。 残念ながら未完。 しかしながらこれがですね、やたらとおもしろいんです。 なぜこれが打ち切られてしまったのか不思議に思えてくるぐらい、アイ...

ユニコ

1976年初出 手塚治虫 今はなき少女漫画雑誌リリカに掲載された作品。 伝説の一角獣であるユニコーンの子供、ユニコを主人公にしたディズニーアニメ風の寓話、というかおとぎ話。 美の女神、ビーナスの反感をかい、時空を超えて常にさすらわねばならな...

MW

1978年初出 手塚治虫 何故か09年映画化されましたが、なにゆえこの作品?と思いましたねえ。 もっと出来のいい作品はいっぱいあるのに、と。 悪徳を行使するスリルを描いた、インモラルでタブーな作品にしたかったようですが、結局アラバスターと同...

どろんこ先生

1974~75年初出 手塚治虫 読売新聞日曜版に連載された1回3ページほどの漫画。 ちょっとすっとぼけていて熱血漢な先生の奮闘記。 まあ特にこれといってどうだ、というほど特徴ある内容でもなくて困ったものです。 併録されている「ぐうたろう千一...

一輝まんだら

1975年初出 手塚治虫 2.26事件で近代史に名高い北一輝を多面的に描こうとした歴史ドラマ。 残念ながら未完。 連載していた雑誌の編集方針が変わったため連載が続けられなくなったらしいんですが、そりゃ漫画サンデーでこの内容はなあ、と思わなく...

シュマリ

1974年初出 手塚治虫 明治維新直後の北海道を舞台に、未開の荒野と悪戦苦闘しながら生き抜こうとする主人公シュマリの活躍を描いた歴史大作。 最初のプロットは侵略されるアイヌ人部落と内地人の紛争をシュマリを通して描く、みたいな感じだったらしい...

三つ目がとおる

1974年初出 手塚治虫 やや荒唐無稽でこじつけと思えるような謎解きもあり、漫画ならではの適当さが危うかったりもするんですが、それでも普通以上におもしろいんだからさすが先生としか言いようがない1作。 あまり自信はないんですが、漫画における伝...

日本発狂

1974年初出 手塚治虫 タイトルからして凄いことになってるんですが、やはりこれは「日本沈没」のもじり?などと思ったりもするわけです。 高一コースに連載された、死後の世界をテーマに幽霊の存在を解き明かそうとする一作なんですが、いやはや支離滅...

メタモルフォーゼ

1974~77年初出 手塚治虫 月刊少年マガジンに連載された「変身」をテーマにした連作短編。 突出した一作は特になかったりもするんですが、「すべていつわりの家」や「おけさのひょう六」の出来はなかなかのもの。 先生らしい一冊。 安心して読める...

ミクロイドS

1973年初出 手塚治虫 アニメ版のミクロイドSは、ミクロなヒーローを立脚せんとする勧善懲悪を強調した作品でしたが、原作に当たる本作は昆虫が一斉に人類を攻撃しだしたらどうなるか、という仮想を描いたパニックSFの傑作だったりします。 これを原...

ユフラテの樹

1973年初出 手塚治虫 人間を超人化する魔法の木の実を巡って、3人の中学生が、それぞれのエゴから禁忌をやぶって世界を破滅に導こうとする、という内容の学園もの風SF。 創世記にでてくる知恵の木の実を元ネタに発展させたか、と言った内容で、まあ...

ゴッドファーザーの息子

1973~82年初出 手塚治虫 主に少年ジャンプに掲載された短編を集めたもの。 表題作であり、自伝的内容である「ゴットファーザーの息子」がやはり一番良くできているか、と思うんですが「ずんべら」も学園推理ものの先駆けのような内容で、思いのほか...

ブラックジャック

1973年初出 手塚治虫 あまりにも有名すぎるこの漫画に一体何を書けばよいのか、といった感じではあるんですが、久しぶりに再読してみて、まるで変わらぬおもしろさに仰天、落涙した次第です。 いやー泣かされた。 で、感動した。 バカみたいに毎日漫...

鉄の旋律

1972~74年初出 手塚治虫 何故か近年、この作品を少年チャンピオンでリメイクして連載している漫画家がいましたが、数ある手塚作品の中で、なにゆえこの「鉄の旋律」なのか、正直よくわからん、といいたくなる水準で本作、微妙な出来だったりします。...

ダスト8

1972年初出 手塚治虫 飛行機事故で奇跡的に生還した8人を、亡き者にしようとする超常の存在が・・・というストーリーの運命論的ホラーファンタジー。 え、ファイナルデスティネーション(2000)じゃないかこれ、と私は大変驚かされました。 映画...

タイガーブックス

1972~82年 手塚治虫 主に少年誌を中心に掲載された短編、中編を収録したシリーズ。 浅い巻でやたら動物が出てくるので、なるほどそれでタイガーブックスか、と思ったんですがそういうわけでもないみたいです。 統一性のない雑多な内容の作品が収録...