1971年~初出 永井豪
講談社KCスペシャル 全4巻

永井豪のSF系の短編を集めた作品集。
以前、B6版全8巻で発売になってましたが、私が購入したのはそこから新デビルマンやスペオペ宙学の短編等を省いたA5版全4巻。
SF、と銘うたれてますが、雑多な内容です。
半分ぐらいはギャグ。
手天童子のプロトタイプと思われる短編もあり。
やはり必読は「真夜中の戦士」であり、かの有名な「ススムちゃん大ショック」でしょうね。
特に後者は、誰も疑念を抱くことなどありえない「あたりまえ」をひっくり返した大傑作。
ラストシーンの突き放し方は尋常じゃありません。
前者は高評価を受けて後に「その後」が描かれたんですが、これははっきり言って凡作。
A5版には「その後」も収録されてるんですが、本来は83ページまでの短編だった、と思って読むのが良。
他にも「くずれる」や「蟲」など、無視できない力作あり。
長編作家の認識が強い漫画家だと思いますが、短編でもこれほどのものを描くんだ、と当時私は震撼しましたね。
ファンなら必読でしょう。