1971年初出 永井豪
朝日ソノラマサンワイドコミックス 全2巻
プレデビルマン、と言っていい内容。
神と悪魔の最終戦争を逆転の構図で描いた作品で、ああ、作者のシリアスなSFバイオレンスの路線はここから発展していったんだ、と言うのが手にとるようにわかります。
この手の設定、プロットを拝借した漫画作品は、以降、恐ろしい数が雨後の竹の子状態で繁殖していったように思います。
そういう意味では嚆矢たる作品、と言えるかも知れません。
ただ、掲載誌「ぼくらマガジン」が連載半ばで休刊したため、未完なんですね。
いや、別にこれはこれで終わってるのでは、と思わなくもないのですが。
後年、この作品は同タイトルでセリフリメイクされており、 描ききれなかった部分はそちらで補完されている、と考えていいでしょう。
似たテーマ、プロットを掲げる作品として、どうしたってデビルマンよりは見劣りするんですが、デビルマンにはないものが本作にはひとつだけあって、それが読みどころ、と言えるかもしれません。
詳しく書くとネタバレになっちゃうんで控えますが、実は先住権の争いの物語であり、根底にあるのは人間そのものに対する恐ろしく根深い憎悪なのでは、と私は思ったりしました。
ラストシーン、薄ら寒いです。
バッドエンドとか、そういうのとまた別次元で人に救いが用意されてません。
なんとなくやりすごされてるようにも思うんですが、一皮剥けば結構な問題作、といっていいのでは、という気もします。
開花前夜の一作。
コメント
[…] 70年代、ぼくらマガジンに連載され、雑誌の休刊とともに未完になっていた同タイトルのセルフリメイク。 […]
[…] で、肝心の内容ですが、魔王ダンテ風でもあり、マジンサーガ風でもあり、でも不動明と飛鳥了が登場していてハニーちゃんっぽいのもいる、というわからなさ。 […]