鬼輪番

1974年初版 小池一夫/ながやす巧/やまさき拓味
オリオン出版劇画KINGシリーズ 全7巻

「この物語は封建社会における、ある青春の慟哭譜である」との見開き前説で始まる忍者もの、時代劇。

「鬼輪番」が「お庭番」をもじっていることはすぐに察しがつくんですが、何故この役割を直参旗本や伊賀、黒鍬之者でなく、過酷な忍者養成学校を卒業した5人の若者が担っているのか、そこがよくわからない、といえばよくわかりません。

鬼輪目付などという架空の役職まで設定されてるんですが、なにかと際どい、というのはありますね。

本来のお庭番の裏組織的な存在、と言うならまだしも、天下の御公儀探索方がたった5人たらずの若者で構成、って無理があるように思いますし、諜報組織として保険をかけなさすぎだろう、と思うわけです。

結局、月並みな幸せを棄て、人を棄てて過酷な定めに翻弄される若き忍者たちの苦悩が描きたかっただけ、ということなんだろうなあ、と思います。

私は初期設定が気になって、なかなかストーリーに集中できませんでした。

劇画の怪物、小池一夫もまだまだ若かった、って事なんですかね。

何故か作画が1巻の途中でながやす巧からやまさき拓味に交代。

これも読後の印象に水を差す感じ。

映画化もされた人気のシリーズだったようですが、もっと凄い作品をこの人はいっぱい世に送り出してる、というのが正直な感想。

ちなみに未完です。

どちらかといえば熱心なファン向け、でしょうね。

コメント

  1. […] 作者初期の忍者もの鬼輪番みたいな展開に。 […]

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