90年代

はなしっぱなし

1995年初出 五十嵐大介河出書房新社九龍コミックス 上、下短編集と言うよりは、ショートショート集。この手の作品は昔、奇想天外だとかSFマンガ競作大全集だとかでさんざん読んだような気も。何となく坂口尚の初期を思い出したり。オチらしいオチもな...

そらトびタマシイ

1993~00年初出 五十嵐大介講談社アフタヌーンKC作者最初期の短編集。しかしながらこれが魔女にも及ぼうか、という良作がいくつか収録されていてなかなか侮れません。 私が、特におおっ、と思ったのが「熊殺し神盗み太郎の涙」。川の中にたくさんの...

砲神エグザクソン

1997年初出 園田健一講談社アフタヌーンKC 全7巻日本のアニメにおける伝統芸ともいえる巨大ロボットものを、作者流に再構築してみせた一作。私が感心したのはそのSFマインドの豊かさ。反重力エンジンにナノテクノロジー、軌道エレベーターと、恐ら...

吾妻ひでお童話集

1996年初版 吾妻ひでおちくま文庫やっぱり私は失踪日記以前の吾妻ひでおのマンガに適性がない、とつくづく思った次第。おもしろくないわけではないんです。興味深い部分がないわけではない。しかしそれらを全てを飛び越えて、ひきつけられるものがない。...

アズマニア

1996年初版 吾妻ひでおハヤカワ文庫 全3巻メジャー誌からドロップアウトし、青年誌やマニア誌に活躍の場を求めていた頃の作品を集めたもの。まあ率直に言って、これを楽しめるのは古くからの吾妻ファンか、コアなSFマニアぐらいではなかろうか、と思...

コンパイラ

1991年初出 麻宮騎亜講談社アフタヌーンKC 全3巻全裸の女性がいきなり空から降ってきて、地球制服!などと口走るという、いかにも80年代の残滓を引きずったSF。私の勝手な想像ですが、この作品、最初は笑いをまじえつつもシリアスな侵略SFにし...

快傑蒸気探偵団

1994年初出 麻宮騎亜集英社コミック文庫 1~4巻(全8巻)スチームパンク+少年探偵の空想科学冒険活劇ってなところ。物語の世界観が本当に読んで字のごとくスチームパンクそのままで、もう少しひねっても良かったのでは、と少し思ったりも。さらには...

ヨコハマ買い出し紀行

1995年初版 芦奈野ひとし講談社アフタヌーンコミックスKC 全14巻世界のゆるやかな黄昏を描いた終末SF。昔読んだときの感想はなんだかぱっとしないなあ、でした。地味にホームドラマでヤマなしオチなしか、と当時は思ったんですが、今回、一気に1...

ユージーン

1990~94年初出 森脇真末味新潮社<収録短編>サカナカナフラミンゴカフェコラージュユージーン森脇真末味が描き続けてきた「屈折した人たちの人間ドラマ」の到達点が本作に収録されている表題作ユージーンだと私は思いますね。絶望的で救いはないんで...

UNDER

1991年初出 森脇真末味小学館プチフラワーコミックス 全2巻極ジャンプ後の地球を描いた近未来SF。ギミックやガジェットに期待すると肩すかしを食らいますが、マンガで「極ジャンプ」なんて概念を設定とした作品は珍しい、とは思いますね。時空生物な...

パイド・パイパー

1990~91年初出 山岸 凉子集英社YOUコミックス<収録短編>パイドパイパー蜃気楼負の暗示サイコサスペンスの秀作といっていいのが表題作「パイドパイパー」作者らしい鮮やかな手際の一作。「蜃気楼」は過去さんざんあったパターンの、男と女のドロ...

1995年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス今はなきコミックトムに掲載された作品。呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といった印...

グーグーだって猫である

1996年初出 大島弓子角川書店 全6巻2008年に映画化もされ、綿の国星以来と言っていいほど話題になった作品ですが、ああ大島さんも年とっちゃったなあ、ってのが正直な感想。猫を擬人化して描くというマンガでしか表現し得ない革新的な手法を実践し...

ロストハウス

1993~95年初出 大島弓子角川書店ヤングロゼコミックス<収録短編>青い固い渋い8月に生まれる子供ロストハウスクレイジーガーデン1,2やはり出色の出来なのは「8月に生まれる子供」か。突如老化していく奇病に冒された主人公の、残酷にも痴呆が進...

アタゴオルは猫の森

1999年初出 ますむらひろしメディアファクトリーMFコミックス 1~2巻(全18巻)作者のライフワーク、アタゴオルシリーズの現時点での最新作。まるでつい昨日まで連載が続いていたかのような違和感のなさで、そこは素直に感心しますし、ストーリー...

ゾンビマン

1998年初版 日野日出志角川書店作者の比較的近年の作品を集めた短編集。しかしゾンビマンって、B級アメコミみたいだなあ、と思ってたら内容も本当にその通りでどうにもこうにも。エンディングがやたら文学的で思わず失笑してしまいましたが、どこかサム...

続・新ワイルド7

1995年初出 望月三起也ぶんか社コミック文庫新ワイルド7の続巻、と言っていい内容で、「続」がついたからといって設定が変わっていたり、作中の時間が大きくが経過しているわけではありません。おなじみのキャラも何人か登場。ちなみに新ワイルド7で敵...

1970~0年代の石川賢、18作品

魔獣戦線1975年初出デビルマンに呼応するかのように、人類と神のハルマゲドンを描いた石川賢初期の傑作。ベースにあるのはキリスト教的史観で、題材やテーマも含め、なにかと永井豪と比較される運命を負う作品ではあるんですが、自らの肉体に敵を取り込ん...

漂流

1993年初版 さいとうたかをリイド社 全4巻副題にsilent worldとあるので、作者初期の作品、サイレントワールドとなにか関係があるのかもしれません。本当にさいとうたかをの作品って、ネットをあさっても細かい情報が出てこなくて。自身の...

ブレイクダウン

1995年初出 さいとうたかをリイド社SPコミックス 全5巻サバイバルの青年向けバージョン、リテイク版と考えていいんじゃないでしょうか。つまり同様に本作も「うんちくもの」であることを意味しているわけですが、これがうんちくものなりに意外と面白...

夜叉鴉

1993年初出 萩野真集英社ヤングジャンプコミックス 全10巻 すべての作品を読んでいるわけではありませんが、荻野真のオカルトSFの中では一番出来が良い気がしますね。序盤は正直たいしたことないんです。晴らせぬ恨みを夜叉鴉が代って晴らしましょ...

破壊魔定光

1999年初出 中平正彦集英社ウルトラジャンプ 1~6巻(全12巻) 突如地球に飛来し始めた「流刑体」と呼ばれる異星人の犯罪者を、捕獲する役目を担うことになってしまった高校生の活躍を描いたアクションSF。序盤はまあ、ありがちな感じかな、とあ...

未来の思い出

1991年初出 藤子F不二雄小学館 先生が最後に描いた青年向け漫画。映画化もされ、話題になった一作ですし、あらためて今読むと漫画家が主人公ということもあって、なにかと晩年の先生自身の姿にだぶる、というのはありますね。色々感慨深いのは確かです...

午後3時の魔法

1993年初出 垣野内成美講談社アフタヌーンKC 1~2巻(全4巻) 人知れず雑木林の奥に存在する古びた病院で、偶然の出会いと語らいを提供する看護士風のお姉さんの「心の処方箋」を紡いだ物語。とりあえずファンシーです。ほとんど少女マンガ、と言...