手塚治虫

ナンバー7

1961年初出 手塚治虫 後付けなカテゴライズをするなら大枠で戦隊もの。 人類が住めなくなるほど汚染された地球をいつか住めるようになる日まで、宇宙人の魔の手から護る7人の地球防衛隊の話。 いきなり地球規模で水爆戦が起こり、強制的にコールドス...

冒険放送局

1960年初出 手塚治虫 小学館の学習誌、小学4年生に掲載された幼年向け漫画。 ドラえもんでいうところの「もしもボックス」をストーリーの核に持ってきた作品ですが、はっきり言って破綻してます。 何が描きたかったんだ先生?って感じ。 いくら幼年...

キャプテンKEN

1960年初出 手塚治虫 未来の火星を舞台にしたSF大作。 人類が火星に入植して、先住民である火星人を使役して繁栄を築き上げている、と言う設定の物語なんですが、マカロニウエスタン風な味付けがなされており、異色作、と言えるかも知れません。 人...

魔神ガロン

1959年初出 手塚治虫 宇宙から降ってきた巨大人型生物兵器をめぐっての騒動を描いたSF大作。 雛形は鉄人28号か。 このころの巨大人型ロボといえば必ず少年がコントロール、と言う不文律があったように思いますが、本作も御多分にもれず。 その少...

0マン

1959年初出 手塚治虫 リスから進化したという設定の亜人種0マンと人類の、地球の支配権を巡る攻防を描いたSF巨編。 人間に拾われ、はからずも田手上博士と心を通わせる結果となった0マンリッキーは自分の種族と人類の間で板挟みとなって苦しむが・...

虹のプレリュード

1958~75年初出 手塚治虫 主に少女雑誌に掲載された作品を集めた短編集。 表題作が一番読み応えがあるか、と思われますが、ロシアに占領される直前のポーランドにおける女性ピアノ奏者のストーリーゆえ短編で料理するにはなにかとテーマが重厚で大風...

スーパー太平記

1958年初出 手塚治虫 未来から江戸時代にやってきた家族がタイムマシンの誤作動で子供だけを江戸時代に置き去りにする羽目になるが、子供は偶然にもスリに身をやつす女に拾われて・・という物語。 いわゆるタイムスリップものですね。 おもしろくなり...

フィルムは生きている

1958年初出 手塚治虫 アニメーションを作ることを夢見る主人公がいろんな障害にも負けずに自分のアニメを作り上げるまでを描いた青春ドラマ。 当時、虫プロで日本初のテレビアニメに挑んでいた先生の心情も大いに反映されての作品だと思われますが、こ...

雑巾と宝石

1957年初出 手塚治虫 小説サロンに連載された作品。 追突のショックでブスから美人へと変貌する主人公のドタバタを描いた大人向けラブコメディ。 たあいないといえばたあいないのだけれど、これがもうほんとうにかわいらしい作品で。 先生らしからぬ...

ひょうたん駒子

1957年初出 手塚治虫 今はなき娯楽誌、平凡に連載された大人向け漫画。 とはいえ劇画登場以前の作品ですんで、読者層を意識したハードな筆致や描写はありません。 後の「フースケ」あたりの作品と同系統の作風。 南極からやってきたオングル族の娘が...

ライオンブックス

1956~72年初出 手塚治虫講談社全集 全7巻 初期の作品はおもしろブックの別冊に月一で掲載された連作短編、その他は少年ジャンプに掲載された短編を集めたもの。 ライオンブックスの命名は当時の集英社の編集長によるもので、SFを意識して描かれ...

SFミックス

1956~61年初出 手塚治虫 主に当時の少年サンデーや冒険王に掲載された短編を集めたものですが、これが意外によくできていてビックリ。 特に講談社全集版1巻に収録された短編はどれもSFマインドにあふれていてストーリーにフックがあり、発表年代...

漫画生物学

1956年初出 手塚治虫 学研の中学生向き雑誌に連載された、生物の不思議を漫画で解説する一冊。 それこそ生命が地球に誕生した不思議から昆虫の不思議まで、バラエティに富んだ内容で、この作品をきっかけにそっちの方面に進んだ、なんて子供も居たかも...

火の鳥(少女クラブ版)

1953年初出 手塚治虫 漫画少年やCOMに連載された手塚治虫のライフワーク「火の鳥」とは別物。 タイトルは同じですが、いうなれば同タイトル少女向けパイロットフィルム、とでもとらえるべきか。 リボンの騎士のファンを意識して描いた、と先生はお...

リボンの騎士(少女クラブ版)

1953年初出 手塚治虫 懐かしさのあまり心は毎週アニメを見ていた少年時代にタイムスリップです。 少女マンガ初のストーリー漫画がこのリボンの騎士らしいですが、もう本当に先生は何でもお描きになって、と感心することしきり。 男性が書いたとは思え...

ぼくの孫悟空

1952年初出 手塚治虫 タイトルから想像できる内容そのまま手塚版西遊記。 大きく改変もなく原典に忠実な設定でストーリーですが、コミカルな演出を多分に意識したようで、随所で度を超えた悪ふざけあり。 三蔵法師一行が日本に渡航して武士とチャンバ...

ロック冒険記

1952年初出 手塚治虫 あとがきによると、カレルチャペックの山椒魚戦争をヒントに描かれた作品とのことですが、オープニングのスペクタクルな展開は山椒魚戦争というより現代ハリウッド映画にも通ずるダイナミックさでド迫力なように私は感じました。 ...

来るべき世界

1951年初出 手塚治虫 HGウエルズの「来るべき世界」とは無関係。 天変地異による地球滅亡の危機を怪生物フウムーンと絡めて描いた終末SF。 本作は後に「フウムーン」のタイトルでリメイク、アニメ化されています。 あっちへふらり、こっちへふら...

ジャングル大帝

1950年初出 手塚治虫 手塚治虫の初期の著作の中でも非常に有名で、テレビアニメにもなり、何度も単行本化された本作ですが、まあ、贔屓目に見て、ある種のおとぎ話であり、子供のためのファンタジーであり、けれん味たっぷりな和製ディズニー、ってな感...

漫画大学

1950年初出 手塚治虫 手塚版漫画の描き方。 とはいえ終戦後の「描き版」の時代の話ですし、技術的なこともあまり書かれておらず、すぐに脱線して実践編とでもいうべき短編が始まってしまうので当時でさえあまり参考にならなかったのでは、と言う気がし...

メトロポリス

1949年初出 手塚治虫 人造人間の悲劇を描いたSF長編。 フリッツラングのメトロポリス(映画)とは全く無関係です。 掘りさげるなら、テーマは地底国の怪人とかぶってます。 というかこれはもう柳の下に二匹目だ。 当時は結構ヒットした作品らしい...

地底国の怪人

1948年初出 手塚治虫 手塚治虫初期の長編、第三作目。 センターオブジアースってなプロットで、普通に地底冒険もので、まあこんなものか、ってな感じなんですが、最後まで読んで私は仰天しました。 えーこう終わらせるのか!と。 あとがきによると意...

新宝島

1947年初出 手塚治虫 一般に手塚治虫のデビュー作、といわれていますが実は酒井七馬氏との共著。 当時のベストセラーらしいですが、勝手に改変された部分等あり、先生としては納得のいかない内容だとか。 さらに当時のマンガは「描き版」といって版下...

マアチャンの日記帳

1946~72年初出 手塚治虫 手塚先生が各社新聞紙やPR誌、ミニコミ誌に連載した四コママンガ、小編を集めたもの。 私が読んだ中で一番年代の古い作品です。 「フクちゃん」が好きで影響を受けた、とおっしゃってますが、表題作も含め読後の感触は確...