1953年初出 手塚治虫
懐かしさのあまり心は毎週アニメを見ていた少年時代にタイムスリップです。
少女マンガ初のストーリー漫画がこのリボンの騎士らしいですが、もう本当に先生は何でもお描きになって、と感心することしきり。
男性が書いたとは思えぬ線の柔らかさ、愛らしさでただただ驚かされます。
もちろんこれがそのまま現代に通用するとは言いませんが、夢見る少女達の「王子とお姫様の寓話」として設定、プロット、シナリオとも完璧だと思う。
いいオッサンが読んでもなんてかわいらしいんだろう、と身をよじってしまいます。
さらにサファイア姫がリボンの騎士に扮して剣戟にはせ参じるシーンは男が読んでいても胸が躍るものがあって、もうね、ほんと凄いです。
長い間少女マンガはこのリボンの騎士の呪縛から離れられなかったのではないか、という気がします。
アニメの刷り込みもあるのかもしれませんが、こりゃやはり傑作だと思う次第。
ちなみになかよし版リボンの騎士も存在しますがそちらは未読です。
若干キャラクターが違うだけとのこと。
これが嫌い、って女の子は居ないんじゃないか、とすら思いますね。
つくづく怪物だと思います、手塚先生。