1949年初出 手塚治虫
人造人間の悲劇を描いたSF長編。
フリッツラングのメトロポリス(映画)とは全く無関係です。
掘りさげるなら、テーマは地底国の怪人とかぶってます。
というかこれはもう柳の下に二匹目だ。
当時は結構ヒットした作品らしいですが、今読むと初期の作品の中では一番質は低いかも、と思わなくはありません。
シナリオ構成にも難があるような気がします。
ちょっと借り物が多すぎるような感触も。
後にりんたろう監督、大友克洋脚本で大胆に改変され、劇場アニメ化されていますが、なぜこの作品なんだ、というのが正直な疑問。
リアルタイムで読んでいた少年たちにとっては、当時、手塚治虫の描く未来世界がとてつもなく衝撃的だった、という事なのかもしれませんけどね。
そこは21世紀の再読ではどうしてもわからない部分。
私には語ることのできぬ作品なのかもしれません。