フェノミナ

イタリア 1984監督 ダリオ・アルジェント脚本 ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ 虫と心を通わせることのできる少女が巻き込まれた連続殺人事件を描いたスリラー。 一応便宜的にスリラーとは書きましたが、実際のところはほとんどホラーか...

ブレーメンⅡ

2000年初版 川原泉白泉社ジェッツコミックス 全5巻 さしずめブレーメンの音楽隊、宇宙へ行く、ってなところでしょうか。 少子化が進んだ結果、危険な宇宙船の乗組員を、知能を人工的に向上させた動物に任せるよりほかなくなった、と言う設定はあまり...

アモーレス・ペロス

メキシコ 2000監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ脚本 ギジェルモ・アリアガ・ホルダン イニャリトゥ監督の長編デビュー作。 唯一鑑賞済みのバードマンがああいう感じだったので若干の警戒はあったんですが、ああ、やっぱりこういう路線なのかと、...

砲神エグザクソン

1997年初出 園田健一講談社アフタヌーンKC 全7巻 日本のアニメにおける伝統芸ともいえる巨大ロボットものを、作者流に再構築してみせた一作。 私が感心したのはそのSFマインドの豊かさ。 反重力エンジンにナノテクノロジー、軌道エレベーターと...

カオスノート

2014年初版 吾妻ひでおイーストプレス 「不条理日記」の進化系、とでも言うべきシュールなナンセンスギャグ。 とはいえ、何が進化してるのか、と問われて、これだ、と明確に答えられるものはなし。 なんか進化したような気がする、という。 だって、...

悪党に粛清を

デンマーク/イギリス/南アフリカ 2015監督 クリスチャン・レヴリング脚本 クリスチャン・レヴリング、アナス・トマス・イェンセン 至極単純かつ、わかりやすい復讐劇であり、暴力による支配者に挑む徒手空拳のガンマン、と言う構図はあまたの西部劇...

オズ はじまりの戦い

アメリカ 2013監督 サム・ライミ原作 L・フランク・ボーム あのサム・ライミがディズニー?と目が点になったりもしたんですが、まあ、いつまでも初期のイメージをひっぱり続けるのは監督にとっても観客にとっても不幸なことなのかもしれません。 な...

失踪日記2 アル中病棟

2013年初出 吾妻ひでおイースト・プレス アルコール依存症患者専門病院に作者が入院していた際の出来事をエッセイ風につづったもの。 失踪日記に収録されていたエピソードをさらに事細かく描いたものですんで、失踪日記をご存知の方にとってはあまり新...

ウルフ・コップ

カナダ 2014監督・脚本 ローウェル・ディーン もうタイトルといい、ジャケットといい見るからにやばそうな臭いがぷんぷんしてるわけですが、万が一、ひょっとしたら、もしかしたら、隠れた秀作で、大笑いさせてくれるバカ映画かも、と一縷の期待を胸に...

シャドー

イタリア 1982監督、脚本 ダリオ・アルジェント 前作インフェルノの北米での惨敗をうけて、再び母国イタリアでメガホンをとった一作。 サスペリア以前のショッキングなサスペンス路線に回帰してます。 魔女とか超常現象とかはもう勘弁、ってことなの...

海街diary

2007年初出 吉田秋生小学館フラワーコミックス 1~2巻(全9巻) ああ、私の知ってる吉田秋生が帰ってきた、と思いましたね。 BANANA FISHで作者とはお別れをして、幾星霜。 もうほんとにね、YASHA-夜叉-とかどうでもよかったん...

うつうつひでお日記

2006年初版 吾妻ひでお角川書店 失踪日記に着手する以前から、描き終えるぐらいまでの間の日常を綴ったエッセイ漫画。 失踪日記的な波乱万丈のエンターティメントを期待してはいけません。 どっちかというと覚え書きに近い。 どんな本を読んだとか、...

さよなら、人類

スウェーデン/ノルウェー/フランス/ドイツ 2014監督、脚本 ロイ・アンダーソン リビング・トリロジーと呼ばれるアンダーソン監督の三部作、最終編。 やってることは散歩する惑星の頃から全く変わってません。 第一作から通算して14年が経過して...

インセプション

アメリカ 2010監督、脚本 クリストファー・ノーラン こりゃもう、ド級のSFと言っていいと思います。 近年のハリウッドにおいて、こんなクソややこしくもマニアックな題材をきちんとエンターティメントに仕上げて、しかもヒットさせるなんて御技はも...

アザーズ

アメリカ/スペイン/フランス 2001監督、脚本 アレハンドロ・アメナーバル ここにきてそのテクニックが頂点に達したようにも感じられるアメナーバル監督の傑作。 もう、語り口のうまさときたら半端じゃないです。 開始数分で画面に釘付け。 あきら...

地を這う魚

2009年初版 吾妻ひでお角川書店 作者の若かりし頃を描いた自伝風エッセイ漫画。 失踪日記以降の作品らしい、精緻な作画が映える高品質な一品、と言っていいでしょうね。 とりあえず背景の書き込みは尋常ではないです。 漫画表現でしかあり得ぬ奇異な...

脳内ポイズンベリー

日本 2015監督 佐藤祐市原作 水城せとな 頭の中であれこれ悩む過程を可視化して、複数のキャラクターが喧々諤々の会議を繰り広げる描写へと擬人化したアイディアは、従来のギャグ漫画の小ネタのようでありながらも、思った以上に面白かった、と思うん...

失踪日記

2005年初版 吾妻ひでおイーストプレス 吾妻ひでおの熱心なファンではないので断言は出来ないんですが、やはりこりゃ「化けた」作品だと思うんですね。 自伝というかエッセイみたいなものが創作を凌駕して圧倒的におもしろい、というのはよくあるケース...

スペル

アメリカ 2009監督 サム・ライミ脚本 サム・ライミ、アイヴァン・ライミ サム・ライミが死霊のはらわた以来、本当に久しぶりに手がけたホラー。 古くからのファンとしちゃあ、期待するな、と言うほうが無理な話で。 いったいどれほど怖がらせてくれ...

ミクロの決死圏

アメリカ 1966監督 リチャード・フライシャー脚本 ハリー・クライナー 冒険SFの傑作として名高い一作。 やっぱりなんと言っても凄かったのは「人間ごと潜水艇を縮小して人体の内部を潜行する」というアイデイアでしょうね。 細菌大にミクロ化した...

吾妻ひでお童話集

1996年初版 吾妻ひでおちくま文庫 やっぱり私は失踪日記以前の吾妻ひでおのマンガに適性がない、とつくづく思った次第。 おもしろくないわけではないんです。 興味深い部分がないわけではない。 しかしそれらを全てを飛び越えて、ひきつけられるもの...

ぶらっとバニー

1980年初出 吾妻ひでお徳間書店リュウコミックス 1巻(全2巻) 異次元?の妄想管理局に勤めるウサギが現実世界の人間の妄想を実体化して上へ下への大騒ぎ、ってな内容のドタバタSFギャグなんですが、設定が雑すぎてどこを楽しめばいいのかよくわか...

アズマニア

1996年初版 吾妻ひでおハヤカワ文庫 全3巻 メジャー誌からドロップアウトし、青年誌やマニア誌に活躍の場を求めていた頃の作品を集めたもの。 まあ率直に言って、これを楽しめるのは古くからの吾妻ファンか、コアなSFマニアぐらいではなかろうか、...

インフェルノ

アメリカ/イタリア 1980監督、脚本 ダリオ・アルジェント サスペリアを第1作とするアルジェントの魔女3部作、第2弾。 これまでの監督の作品は何故かアメリカ人がイタリアで活躍する話が多かったですが、今回は初めてニューヨークを舞台にストーリ...