2006年初版 吾妻ひでお
角川書店

失踪日記に着手する以前から、描き終えるぐらいまでの間の日常を綴ったエッセイ漫画。
失踪日記的な波乱万丈のエンターティメントを期待してはいけません。
どっちかというと覚え書きに近い。
どんな本を読んだとか、どんな音楽を聞いたとか、なにを食ったとか。
ブログかよ!とつっこむ人もたくさんおられたのではないでしょうか。
基本、作者自身が自分の日常を笑っていただこう、と第三者的視点で腕をふるってないように思います。
単行本化されるとは考えてなかったような気も。
熱心な吾妻ファンにとっては興味深い内容かもしれませんが、やっぱりこれは失踪日記のヒットを受けた便乗商品だろうなあ、と。
いや、もともとこういう感じだよ、吾妻ひでおって、という方もおられるかもしれませんが、新規参入組としてはものたりない、というのが正直なところでしょうか。
作者の趣味に共感できないとなにかと辛い一冊かもしれません。