カナダ 2014
監督・脚本 ローウェル・ディーン

もうタイトルといい、ジャケットといい見るからにやばそうな臭いがぷんぷんしてるわけですが、万が一、ひょっとしたら、もしかしたら、隠れた秀作で、大笑いさせてくれるバカ映画かも、と一縷の期待を胸に視聴、おおっこれは!と驚かされたのかというと、あまりに予想を裏切らぬダメさ加減で本当に何も残らなかったことに、驚かされたよ、ああくそ。
まあ、そうそう当たりくじはひけないわけです。
わかっちゃいるんですけどね。
わかっちゃいるんですが「いやこれは確かになにかありそうな気にさせるものが漂ってるよね」と映画ファンならきっと理解してくれるはず。
ね?あなたもそう思うでしょ?
え?私だけ?
ただね、技術的には意外としっかりしてたりはするんです。
冒頭でダメとは書きましたが、テンポよくスピーディーな展開や、連続性のあるカメラワーク等、新人監督にしちゃあ上出来の部類。
ダメなのは1にシナリオ、2に演出なんですね。
伝奇ミステリー風に狼男を描くのはいいんですが、せっかくその職業を警官にしたのだからそこでカタルシスを得られるように見せ場を作らなくてどうする、という話であって。
一応、アクションシーンはあるんですが、ただ怪物性、残虐度に焦点を当てるだけで血沸き肉踊る興奮度が皆無。
警官ネタで小さな笑いを忍ばせるぐらいの余裕も欲しかった。
現状では別に狼男、警官じゃなくても全然問題なし。
また、盛り上げ方が異様に下手なんですね。
この題材で悪ノリするわけでもない、大仰にバカ騒ぎなわけでもないって、真面目か!とあたしゃ呆れた。
ダメでも愛いやつ、と言いたかったんですけどね、これはちょっと見逃せないぞと思える部分が本当になくて。
なぜこの状況で2が作れるのか、本当にわからん。
結構な地雷です。
よっぽどのマニアじゃなきゃ無理。
どういうマニアが支持層なのか、さっぱりわからないけど。
もうちょっと色々がんばってくれ、お願いだから。
以上。