1980年初出 吾妻ひでお
徳間書店リュウコミックス 1巻(全2巻)
異次元?の妄想管理局に勤めるウサギが現実世界の人間の妄想を実体化して上へ下への大騒ぎ、ってな内容のドタバタSFギャグなんですが、設定が雑すぎてどこを楽しめばいいのかよくわからない困った一作。
多分、作者は藤子先生お得意のホームコメディみたいな感じにしたかったのでは、と思うんですよ。
でもそれがなぜそうならなかったのか、というと、そもそも妄想管理局とはなんなんだ、という点が全く明らかにされてない事に要因があったりするわけです。
誰がなにをどうしたいのか、そこが全くわからない。
物語世界の屋台骨が最初からぐらついてるんで、ただなにかと狂騒的なだけで全部終わってしまってるんですね。
なにができてなにができないのか、そのあたりのルール作りも甘い。
後付けで色々足されてはいくんですが、私はもう1巻を読みきるので限界でした。
スランプだったんだろうなあ、と。
それしか言えませんね。
相当にコアな吾妻ファンしか楽しめない、と思います。