マンガ

パイド・パイパー

1990~91年初出 山岸 凉子集英社YOUコミックス <収録短編>パイドパイパー蜃気楼負の暗示 サイコサスペンスの秀作といっていいのが表題作「パイドパイパー」 作者らしい鮮やかな手際の一作。 「蜃気楼」は過去さんざんあったパターンの、男と...

1995年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 今はなきコミックトムに掲載された作品。 呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といっ...

山岸凉子 あすかコミックス5冊

1987年初版 時じくの香の木の実<収録短編>常世長鳴鳥/青海破/副馬/天沼矛/水煙/時じくの香の木の実 「常世長鳴鳥」は体が弱く美しい姉と健康だが凡庸な妹の愛憎劇を描いたサスペンス。過去に似たようなテーマの短編がいくつかあったような。お得...

日出処の天子

1980年初版 山岸 凉子白泉社 花とゆめコミックス 全11巻 どちらかと言えば短編の名手だという認識があるんですが、それすらさしおいて本作は歴史改変もの不朽の名作長編だと思う次第。 舞台は大化改新以前の日本で主人公は聖徳太子。 よくまあこ...

山岸凉子の短編集 14冊

1972年初出 ゲッシング・ゲーム(集英社セブンティーンコミックス) 掲載紙の性格上の問題もあるとは思うんですが、個人的には相当きつかった長編。第一話は72年に描かれているので初期の作品と言っていいと思います。もう、何もかもが古い。ストーリ...

グーグーだって猫である

1996年初出 大島弓子角川書店 全6巻 2008年に映画化もされ、綿の国星以来と言っていいほど話題になった作品ですが、ああ大島さんも年とっちゃったなあ、ってのが正直な感想。 猫を擬人化して描くというマンガでしか表現し得ない革新的な手法を実...

ロストハウス

1993~95年初出 大島弓子角川書店ヤングロゼコミックス <収録短編>青い固い渋い8月に生まれる子供ロストハウスクレイジーガーデン1,2 やはり出色の出来なのは「8月に生まれる子供」か。 突如老化していく奇病に冒された主人公の、残酷にも痴...

大島弓子 あすかコミックス6冊

1987年初出 秋日子かく語りき<収録短編>秋日子かく語りき/ロングロングケーキ/庭はみどり川はブルー/水の中はティッシュペーパー 意外にも全編がなにやらSFっぽいテイストの香る短編集。一番完成度の高いのはやはり表題作「秋日子かく語りき」か...

大島弓子選集 第1期

1968~71年初出 1巻 誕生<収録短編>ポーラの涙/ぺールの涙/デイトははじめて/フランツとレーニ/詩子とよんでもういちど/男性失格/誕生/夏子の1日/あしたのともだち/みち子がきた日 購入当時はあまりの古さにとても最後まで読めなかった...

バルバラ異界

2002年初出 萩尾望都小学館フラワーコミックス 全4巻 フラワーズを読んでいる女性読者は本当にこの内容についていけたのだろうか?と思えるほどガチでSFです。 しばらく少女漫画から遠ざかっていた時期があったもんで、本当に久しぶりに触れた萩尾...

萩尾望都作品集 第Ⅱ期

1巻、2巻 百億の昼と千億の夜はこちらのページ 1978年初出 3巻、4巻 スター・レッド 私の中で萩尾SFが完成した、と感じたのはこの作品から。舞台は火星で、しかも超能力バトルものだったりして、これといって目新しい試みは特にないんですが、...

萩尾望都作品集 第Ⅰ期(抜粋)

1969~73年初出 1巻 ビアンカ<収録短編>ルルとミミ/すてきな魔法/クールキャット/爆発会社/ビアンカ/ポーチで少女が子犬と/ベルとマイクのお話/雪の子/千本めのピン 萩尾望都の最初期の短編を集めた一冊。80年代の作者の作品に慣れ親し...

遥かなり夢のかなた

1975~80年初出 竹宮恵子小学館文庫 <収録短編>遙かなり夢のかなた集まる日オルフェの遺言夢見るマーズポート決闘2108年西暦2763年の童話ジルベスターの星から真夏の夜の夢夜は沈黙のとき SF系の作品ばかりを集めた短編集。 「遙かなり...

地球へ

1977年初出 竹宮恵子スクエアエニックスGファンタジーコミックス 全3巻 なんせ初めて読んだ竹宮恵子のマンガが「風と木の詩」だったので、当時学生だった私は激しい嫌悪感を覚え、それが原体験となり、本当に長い間、氏の作品は敬遠しておりました。...

ミステリオス

1972年初出 小室孝太郎高橋書店 全2巻 ワーストや命MIKOTOの強烈さを期待すると完全に肩透かしをくらうと思います。 学園の番長で、素行不良な主人公悟郎が、なぜか救われない魂をあの世に送る手伝いをする羽目になる、というオカルトファンタ...

命 MIKOTO

1978年初出 小室孝太郎集英社ジャンプスーパーエース 80年代にブームを巻き起こした伝奇バイオレンスの先駆けとも言える作品。 漫画で呪術、密教を題材としたオカルトアクションをやったのはおそらく本作が最初ではないか、と思います。 恐ろしく早...

ワースト

1970年初出 小室孝太郎集英社ジャンプコミックス 全4巻 侵略SF、パニックSFの傑作として好事家の間で名高い作品ですが、なるほどこれは先駆的作品として伝説化するのもわかる、と納得の一品。 とても少年ジャンプ掲載とは思えません。 いったい...

アタゴオルは猫の森

1999年初出 ますむらひろしメディアファクトリーMFコミックス 1~2巻(全18巻) 作者のライフワーク、アタゴオルシリーズの現時点での最新作。 まるでつい昨日まで連載が続いていたかのような違和感のなさで、そこは素直に感心しますし、ストー...

コスモス楽園記

1986年初出 ますむらひろしスコラ バーガーSC 全5巻 作者のライフワークであるアタゴオルシリーズにおいて、この作品がどういう位置付けなのかはよくわからないんですが、これはちょっとあなどれない、と驚かされたましたね。 一般には「アタゴオ...

アタゴオル物語

1976年初出 ますむらひろし朝日ソノラマ 1~3巻(全6巻) マンガ少年に掲載された、人語を解する巨大猫ヒデヨシと少年テンプラの活躍を描いた作者おなじみのファンタジー、最も初期のもの。 後年に比べると作画がかなり拙い、というのはあります。...

忍者武芸帳

1959年初出 白土三平小学館文庫 全8巻 史的唯物論を持ち込んだ忍者漫画の歴史的傑作と言われたシリーズ。 かの手塚治虫は白土三平のせいで漫画にイデオロギーを求められるようになってしまった、とぼやいたぐらいだから当時の衝撃は相当なものだった...

サスケ

1961年初出 白土三平小学館文庫 全10巻 なんせ60年代の少年向け忍者活劇ですんで、さすがに古さを感じる部分はあるわけです。 それでもアニメで慣れ親しんだ少年忍者サスケの勇姿に、心躍るものがない、といえば嘘になる。 絵柄は劇画タッチな後...

カムイ外伝

1965年初出 白土三平小学館ビッグコミックス 全20巻 白土三平の作品の中で一番大好きなシリーズ。 何事か、っていうぐらいおもしろい。 少年サンデーで連載されていた初期の数話は子供向けを意識してか、絵柄も違い、忍者アクションものと言った風...

カムイ伝

1964年初出 白土三平小学館ゴールデンコミックス 全21巻 差別とはなにか、生きるとはどういうことかを問うた不朽の歴史大作、大河時代劇。 知らない人のために一応書いておきますと、アニメ等で話題になったカムイ外伝と内容はまるで違います。 浅...