1978年初出 小室孝太郎
集英社ジャンプスーパーエース

80年代にブームを巻き起こした伝奇バイオレンスの先駆けとも言える作品。
漫画で呪術、密教を題材としたオカルトアクションをやったのはおそらく本作が最初ではないか、と思います。
恐ろしく早かったのは間違いないでしょうね。
なんせ「孔雀王」より7年早いし、「魔獣狩り」より6年早い。
後の大ヒットを鑑みるなら先見の明があったことは確か。
ただ、時代が、読者がついてこれなかった。
今読んでも感心する斬新な内容なのに、不人気で打ち切り。
なので物語はほとんどオープニングといえる段階で、むりやり予定していたのであろうクライマックスをつなぎあわせて終わっている状態。
惜しい。
本当にもったいないと思う。
このプロットで、思う存分やらせてあげたかった。
何らかの形で続いていたら漫画の歴史が変わっていたかもしれない、とすら思います。
ワーストといい、本作といい、素晴らしい才能を見せつけていたのになんでこうも不遇なまま消えていってしまったのか、ほんとやるせなく感じますね。
強引に結んだ作品なのでさすがに傑作とは言いがたいんですが、78年にここまでやってる漫画があった、という意味で記憶にとどめておきたい一冊。
コメント
[…] ワーストや命MIKOTOの強烈さを期待すると完全に肩透かしをくらうと思います。 […]