10年代

溶解教室

2013年初出 伊藤潤二秋田書店少年チャンピオンコミックスエキストラもっと! 一話完結形式の連作長編で、どっちかというとホラーギャグ。 作者の場合、長編、というだけで一抹の不安がよぎったりもするんですが、胸騒ぎは悪い意味で裏切りませんでした...

亜人

2012年初出 桜井画門講談社goodアフタヌーン 1~8巻(全17巻) まあ、これも世相を反映してる、といえるのかもしれないですが「人に見えて人あらざるもの」を題材とした作品って、最近多いな、と。 東京喰種なんかもそうですしね。 本作「亜...

鳥葬のバベル

2016年初出 二宮志郎講談社モーニングKC 1巻(全4巻) 小池ノクトと絵柄が非常に似通ってるように思うんですが、アシスタントかなんかやってたんですかね?作者は。 画力は申し分ないと思います。 数ページ読んで、ちゃんとプロでやっていけるだ...

THE TOWN~復讐者

2014初出 加藤清志エンターブレインビームコミックス 1巻(全2巻) タウンと呼ばれる町で奇妙な能力を持つ異能者と、格子状の傷を持つ異能者を追う主人公の戦いを描いたSFアクション。 多分作者はジョジョとか、すごい好きなんだろうな、と思いま...

つきロボ

2011年初出 中平正彦集英社ウルトラジャンプコミックス 1巻(全3巻) あーこっちの方向に進んじゃったのか、って感じでしたね。 月面を舞台にそこで暮らす人間に焦点を当てた近未来SFなんですが、実際にやってることは少女+巨大ロボ。 本格SF...

旧約マザーグール

2017年初版 菅原キク徳間書店リュウコミックス 全2巻 コミックアーススターに連載されていた「HOLY HOLY」に描き下ろしのエピローグを加えた新装版。 お嬢様学校に通う良家の子女10数名が、船舶事故により名も無き無人島に流れ着くんです...

路地裏第一区

2012年初版 ムライ小学館IKKIコミックス この短編集を言葉で説明するのはとても難しいんですが、一言でいうならファンタジックでシュール。 非常に細かい線の神経質な描画が日本の漫画っぽくない雰囲気も醸してて、その独特の世界観は新時代の才能...

はじまりの竜とおわりの龍

2014年初出 海人井槙小学館ビッグコミックスペシャルヒバナ 中世的な封建社会を背景に、龍と呼ばれる異生物が存在する世界を描いたファンタジー。 まあ、やりたいことはわかります。 龍になにを透かして見てるのか、どんな役割をおわせたいのか、深く...

とこよかくりよ

2013年初出 伊藤静講談社モーニングKC 全2巻 一言で言うなら見事化けた、だと思います。 過去作で散見された薄甘い心優しさみたいなものは相変わらず主人公の性格設定に反映されてはいますが、それ以上に、まさかここまで人の心に潜む負の感情みた...

誰かカフカを守って

2011年初出 井田ヒロト新潮社バンチコミックス 1巻(全2巻) 第1話とその後の展開が断絶したようにつながらないので、大丈夫か?と不安になったんですが、第5話でようやく話の筋道が見えてきて、一安心。 都市伝説なホラーを描きたいのか、SFア...

ハカイジュウ

2010年初出 本田真吾秋田書店チャンピオンコミックス 全21巻 ある日突然、地の底から湧いて出てきた巨大クリーチャーに襲われる東京を描いたモンスターパニックものであり、サバイバルSF。 一連の怪獣ものと違うのは、クリーチャーが片っ端から人...

少女終末旅行

2014年初出 つくみず新潮社バンチコミックス 1~3巻(全6巻) なんかよくわからんが文明の崩壊してしまった世界で、少女2人組がキャタピラ・カーに乗って廃墟を放浪するお話。 体裁はディストピアSFですが、内容はそれほどシリアスではなく、ゆ...

妖怪HUNTER

2010年初出 井上淳哉新潮社バンチコミックス もちろんオリジナルは諸星大二郎。 過去の人気作を若手漫画家にリメイクさせて話題をさらう便乗商法は昨今の漫画業界にて、もはや常套手段ですが、それにしたって作品のチョイスが渋すぎるぞ、ってのはまあ...

ジュウマン

2014年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 1巻(全3巻) 長野県にある日忽然と出現した謎の巨大不定形物体。 人や建物を下敷きに、一切の銃器や物理的排除を受けつけず、居座り続けて2年。 何もかもがわからぬまま政府はそれを自然災...

死人の声を聞くがよい

2011年初出 ひよどり祥子秋田書店チャンピオンコミックスRED 1~6巻(全12巻) 謎の死をとげた幼馴染の少女の霊につきまとわれる少年を主人公としたホラー。 ちなみに本作の場合、少女の霊は主人公に害をなすものではなく、なにくれとなく世話...

ナナのリテラシー

2013年初出 鈴木みそエンターブレインビームコミックス 1~2巻(全3巻) 鈴木みそ、って漫画家は、みんなが知ってそうで知らないことをうんちくもの、ハウツーもの風に物語とするのが上手な人だと私は思ってて。 路線でいうと青木雄二とか三田紀房...

秘身譚

2010年初出 伊藤真美講談社KCDX 1巻(以降続巻) 3世紀の古代ローマを舞台に、暗殺者たる半陰陽の少年とその保護者であるローマ軍士官が暗躍する、血と政争の歴史ファンタジー。 当時のローマ帝国における文化や世相を忠実に再現するために、膨...

蒼の六郷

2013年初出 あさりよしとお白泉社 タイトルは言わずと知れた小沢サトル「青の6号」のもじり。 本当にあさりよしとおと言う人はこの手の言葉遊びが好きな人である。 ま、なんせ青の6号ですんで当然内容は深海もので潜水艦も大活躍、といった按配なん...

HIKARI-MAN

2015年初出 山本英夫小学館スピリッツコミックススペシャル 1巻(全8巻) 偶然感電したことによって、電気の中を自在に駆け巡る能力を得た少年を描いたヒロイックファンタジー。 1巻最後まで読んでまず思ったのは、これ本当に山本英夫?でした。 ...

鬼死ね

2013年初出 岡田索雲小学館ビッグコミックス 1巻(全4巻) もし鬼の一族が人間そっくりの姿で社会に紛れ込んでいたら、という設定のコメディ。 主役は鬼であることを隠して学園生活を送る中学生の兄弟。 人とは違う生態を持つ彼らが、どのように人...

いってミヨーンやってミヨーン

2011年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 1~2巻(全3巻) なにをしていても充足感が得られない主人公タモツと、何もかもが規格外な女、減込ツイン子の、デタラメで八方破れな所業を描いた屈折系コメディ。 一応長編の体裁ではありま...

PACT

2014年初出 久慈進之介講談社ヤンマガKC 1巻(全5巻) 謎のテロ組織によって、世界中の海に沈められた窒素爆弾を除去するために命をかける、爆弾処理班の活躍を描いた近未来SF。 えーまず大前提としてですね、そんなコストのかかる非効率なこと...

千九人童子ノ件

2010年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 作者のこれまでの作風からすると、きっとこの作品は異端なのだろうけど、本作、近年出たいわゆるホラー系の作品を圧倒的にぶっちぎって必読の傑作伝奇ホラーだ、と思う次第。 いや、怖かった。 ...

ローカルワンダーランド

2014年初出 福島聡エンターブレインビームコミックス 全2巻 全部で13話が収録された短編集。 それぞれのお話に関連性はなし。 題材は雑多で、テーマは多岐にのぼります。 福島聡で短編集といえば思い出されるのは「少年少女」ですが、残念ながら...