HIKARI-MAN

2015年初出 山本英夫
小学館スピリッツコミックススペシャル 1巻(全8巻)

偶然感電したことによって、電気の中を自在に駆け巡る能力を得た少年を描いたヒロイックファンタジー。

1巻最後まで読んでまず思ったのは、これ本当に山本英夫?でした。

いや、「のぞき屋」とか「殺し屋1」「ホムンクルス」みたいな屈折した漫画ばかり発表してきた人がですよ、何故今更アメコミ丸出しのヒーローものをやる必要があるんだ、と思ったわけです、私は。

多分、多くの人が指摘してると思うんですが、これ、スパイダーマンに出てくるエレクトロとほとんど着想かぶってると思うんですよ。

マイナーな作品ですが荻野真のALGOって作品ともプロットが良く似てる。

さらにですね、もし、この先の展開で電脳世界にまで主人公が侵入するんだとしたら、今度は功殻機動隊ともネタがかぶってくるんじゃねえか、と思ったりもするわけで。

主人公の少年がひよわないじめられっ子、というのも典型な設定過ぎて手垢感半端ないですし。

早い話が1巻の時点で、なんら新鮮に感じられるものも、続きがどうなるのか気になるってことも、まるでなかったんですよね、私の場合。

いや、ほんとどうしたんだ、と思う。

変な例えですけど、昨日まで創作料理専門店でそこにしかない味を支持されてた料理人が、突然、和食に目覚めて屋号変更しちゃたみたいな。

うーん、過去作が過去作なだけに表層的な部分だけで判断していいのかどうか、悩みます。

ただひとつだけ言えるのは、これが新人漫画家の作品だったら間違いなく続きは買わない、ということ。

驚天動地のストーリーテリングが待ち受けてるのかもしれませんが、現段階では惹かれるものはなにもなし。

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