はじまりの竜とおわりの龍

2014年初出 海人井槙
小学館ビッグコミックスペシャルヒバナ

中世的な封建社会を背景に、龍と呼ばれる異生物が存在する世界を描いたファンタジー。

まあ、やりたいことはわかります。

龍になにを透かして見てるのか、どんな役割をおわせたいのか、深く考え込むまでもなく、ああ、これは70年代から連綿と続く少女漫画系SFの系譜だな、とわかる。

で、結局は、先達以上のなにかがあるか、ってことが評価の決め手になるわけですが、残念ながらこりゃやっぱり借り物のあれこれがどうしても目につく模倣だよなあ、ってのが正直なところでしょうか。

最大の失敗は世界そのものを構築できてないことでしょうね。

龍に愛着を持ってるのはわかる。

でも龍だけを放り込んで、それにすべてを担わせようとするには世界の理はあまりに深遠で広大無辺すぎる、と私は思うわけです。

結果、作者の思い入れだけが先行するありさまに。

ドラマ作りのうまさはあると思うので、まずは現代劇で腕を磨くことをおすすめしたい次第。

スケールの大きさが手に余ってると思います。

まあ、ヒバナらしい作品だ、と言えばそうなんですけどね。

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