神と共に 第1章 罪と罰

神と共に 第1章 罪と罰

韓国 2017
監督 キム・ヨンファ
原作 チュ・ホミン

韓国の人気ウェブコミックを映画化した作品。

簡単に言っちゃうなら、韓国版地獄巡りとでも言ったところでしょうか。

丹波哲郎の大霊界(1989)みたいなものだな、うん。

違うだろ。

私は韓国人の多くがキリスト教徒である、と思ってたんで、仏教的宗教観が息づいてることに意外性を感じたんですが、よく調べてみたらアジアでは多くのキリスト教徒がいる国、ってだけで、仏教徒もほぼ同数いるんだとか。

なるほど納得。

日本人には馴染みやすい内容だと思いますね。

閻魔大王がいて獄卒がいて。

死後、裁かれちゃうわけですな。

この作品が特徴的なのは、地獄の裁きを7回クリアすると生まれ変わることができ、裁きには検察官と弁護人らしき人物がつく、と設定したことにあるように思います。

また、7回の裁きを受けるためには自らの足で罪に応じた各所に赴かなくてはならないんです。

さしずめ地獄百景冒険の旅。

RPGかよ、って。

地獄を現代的にプレイ感覚で再構築したのは上手だと思いますね。

韓国で歴代興行収入3位を記録した理由はそのあたりにありそう。

ま、つまらなくはないです。

つまらなくはないんですけど、やっぱりどこか少年漫画っぽいというか、罪とは何なのかを考えた時、踏み込みの浅さが目立つ、ってのはどうしたってある。

なんかね、7つの裁きを受け持つ裁判官である大王がね、どいつもこいつも割とバカなんですよね。

お前は一体何を問題視してるんだ?と首をかしげてしまうというか。

とんち問答みたいな状況に陥ることもままあるんです。

こんなことで輪廻転生が決められちゃあたまったもんじゃない、と普通なら思う。

それを仰々しく大真面目に描かれてもですね、なかなか共感はできないわけです。

笑うべきなのか?って。

最終的には主人公、頭のネジがゆるんでるのか?とすら私には思えてきて。

見てて中盤ぐらいで中だるみしたことは確か。

ただ、この映画、後半で地獄を飛び出した冥界の使者(弁護人)が現世において、あれこれ動き回るシークエンスに大きく時間を割いてまして、それが本編を差し置いて最大の見所になってる節がなくはない。

主人公の母と、使者は接見するんですけどね、使者の目を通じて、母と死んでしまった息子の間に通い合う哀しくも深い情愛を、これでもかと劇的に描き出すんですよね。

これはね、泣きますよ、さすがに。

さすがはオモニの国だと思う。

真相を知った上で、それでも罪を咎められるやつがこの世にいるのか!という気持ちにすらなる。

地獄はこの世じゃないわけだけれども、うん。

きわどい映画だとは思います。

正直、トンデモ映画にカウントされても全然不思議じゃない。

後半における怒涛の猛追をどう評価するか、でしょうね。

同じく宗教をベースに死生観を描いた韓国映画、哭声/コクソン(2016)に比べると、幼稚としか言いようがない仕上がりだったりもするんですが、目頭が熱くなったんであんまり強くは否定できないわけだよ、皆様方。

続編である第2章因と縁を見るつもりはないんですけど、本作を見たことをさほど後悔はしていない、まあ、そんなところでしょうか。

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