キングスマン:ゴールデン・サークル

イギリス 2017
監督 マシュー・ヴォーン
原作 マーク・ミラー、デイヴ・ギボンズ

キングスマン:ゴールデン・サークル

前作もさして高くは評価してなかった私ですが、あまりに「面白かった」と称賛する人が多いので、なにか変わったのかな?と手にとってみたわけですが、ああ、うん、はい、何も変わってませんね。

むしろ少年漫画化が加速したというか、ジャッキー・チェンが主演を張りそうなアクションコメディ化が顕著になった、というか。

もっともらしさとかリアリズムとか、もうどうでもいいんだろうなあ、と。

キャラクター主導でガンガンお話をでっちあげていきまっせ!みたいな徹底したエンタメ路線。

辛辣な言い方をするなら「幼稚」、穏便に丸くおさめるなら「誰でも楽しめます」ってなところでしょうか。

私的には香港映画を見るぐらいの感覚でちょうどいい感じですね。

ただ、制作費がべらぼうに費やされてますんで。

そこは香港映画とはまた違う見どころが満載と言えるかもしれません。

ともあれ、オープニング早々のカーアクションのシーンにはびっくりさせられましたね。

これ、どうやって撮ってるんだ?と思った。

よくまあ狭い車内でこんな立体感のあるカメラワークが可能だったことよなあ、と感心したんですが、後から「あ、VFXだったのかな?」とふと気づいたり。

最近の金かかってる映画はなんでもできちゃうから、もう判別つかないですよね。

どちらにせよ、一気に観客を物語の世界に引き込むインパクトがあったことは確か。

中盤の、ロープウェイの客車が山肌を滑り落ちるシーンも迫力満点。

スペクタクルな場面を絵にすることにこだわってることだけは伝わってきました。

ジュリアン・ムーアやエルトン・ジョン本人の怪演も観客をくすぐるには充分すぎるサイドメニューだったと思います。

何も考えずに見る分にはあっという間の141分でしょうね。

とはいえ、そんなハリウッド大作路線をブレずに邁進してるのにも関わらず、ところどころブラックなのが私は少し気にかかったり。

やたらリアルに血飛沫飛ばしたり、人肉ミンチ作ったり、胴体真っ二つにしたりと妙に残虐性が高いんですよね。

これがホラーやシリアスな諜報戦を描いたドラマだというのならわからなくもないんですが、子供が見ちゃいそうな映画でここまでやる必要があるのか?と。

特に人肉ミンチなんてシチュエーションからしたらほとんど「黒い笑い」ですよ。

ブラックユーモアが必要な要素なんて欠片もこの映画にはない、と思うんですけどね、どういうつもりなんでしょうね?

これもイギリスのお国柄か(なんせモンティ・パイソンの国ですし)、と考えたりもするんですが、若年層向けっぽい内容なのにR指定かかりそうなドギツさって、バランス悪すぎると思うんですけどね、うーん、みんな気にならないんですかね?

それはさておき、少年ジャンプ読者は多分好きだろうな、と確信した一作でしたね。

まあ、私はもう何十年もジャンプ読んでないんで。

そのギャップは埋められないまでも、支持される理由はわかった、というのが今回のすべてでしょうか。

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