2022 韓国
監督、脚本 パク・フンジョン
三部作になることがアナウンスされている魔女シリーズ4年ぶりの第二弾。
前作は、終盤ギリギリの大どんでん返しで、プロットの陳腐さを一瞬でなぎ払った秀作でしたが、さすがに同じ手はニ度使えないわけで。
さて、どうするつもりなんだろう、と。
もはや完全にネタバレしちゃってる状態ですしね、そこからストーリーの続きを追ったところで前作以上の出来になるとは到底思えない。
それ以前に、物語のテンションを維持することができないでしょうし。
このシリーズに現状置き去りなのは、超能力少女と謎の研究(秘密)機関というとんでもなく中2でチープかつオールドスクールな古典的設定だけですからね、そんなもん、今更煮ても焼いても食えやしないわけで。
正直、ほとんど期待はしてなかった。
色々無理筋だろう、と思ってましたからね。
そしたらですよ、なんと監督は同一世界観ながら主人公を別の人物にして目先を変える、という小手先の目眩ましを用意してきやがりまして。
ああ、なるほどなあ、って。
ひたすら風呂敷広げていくしか、飽きさせない手はなかったかもしれないなあ、と。
ま、開き直り、と言ってもいいかも知れない。
要は徹底した中2的サイキックウォーズのど派手展開に注力、ですよ。
そりゃね、童顔の少女が車のドアを引きちぎったりするシーンとか、中2じゃなくても驚きますから。
少なくともアクションシーンに関しては、ちゃんとお金をかけて作り込んである、と納得できる出来栄えでしたし。
マーベル映画でありそうなシーンだったりはしますけどね。
ヒーロー映画疲れが叫ばれる昨今、ただでさえ80年代的な超能力少女というモチーフがどこまで令和に通用するものなのか、判断しかねる部分はどうしようもなくありはするんですけどね。
結局のところ、この作品の世界観にのれるかどうか?なんでしょうね。
少年ジャンプ的な、荒唐無稽も辞さぬファンタジックな世界線を楽しめる人はきっと熱くなれる?んでしょうけど、リアリズムを重視する人は多分アウト。
なんせジェイソン・ボーンシリーズよりもコミック調だからなあ・・。
実は日本のアニメファンにこそ希求するものがある、というのが意外に核心ついてるかもしれませんね。
ま、最終作となる次作への橋渡し、と言う意味では悪くない仕上がりだったかも。
次作でどう着地するのか?ですかね。
現段階では曖昧でどっちつかずなことしか書けないですね。
無事公開されることを祈りつつ、最終的な評価はまたそのときに改めて記したいと思います。
余談ですが、地上げ屋のボス役の役者さんがやたら演技上手くて感心した。
腰抜かすシーンが素晴らしかったんだけど、見せ場はそこじゃないのが残念。
ちなみに今作の主役女優シン・シアはキム・ダミほどのインパクトはなし。
キム・ダミは前作での芋姉ちゃんっぷりがお見事だったからなあ。