2022 イギリス/アメリカ/ハンガリー
監督 ニール・マーシャル
脚本 ニール・マーシャル、シャーロット・カーク
ゲリラに航空機を撃墜され、不時着した場所には、謎の人型な怪物がひしめいていてひどい目にあった、ってなサバイバルアクション。
人型の怪物はソ連の軍事施設が90年代にこっそり研究開発したものらしいんですが、いやいや、そりゃないっしょ、そんなのがずっと生きてるはずがねえじゃん、というツッコミはさておき。
なんかねー、このニール・マーシャルって監督は相変わらずおんなじところをウロウロしてんだな、って印象ですね。
出世作であるディセント(2005)とそう大差ないもの、舞台設定とか、シナリオ進行とか。
洞窟の怪物が、秘密施設の怪物に変わっただけの話。
もっともらしく描こうと、物語の外堀を埋めることに腐心した形跡はみられますが、どういじくりまわしたところでアイディアに新鮮味、信憑性がないし、ストーリーがどこへ転んでいくのか100%予想がつく状態だったりしますから。
というかこれ、ネタバレになっちゃうかもしれないけど(ネタバレに敏感な人はこの先読まないこと)やってることはプレデター(1987)と同じだから。
最終的に生き残りの少数部隊と怪物の決戦になる展開とか、全く同じだから。
シュワルツネッガーが戦闘機乗りのナイスバディなお姉ちゃんに入れ替わっただけのこと。
ま、ぶっちゃけ退屈。
99分と短尺な映画というのに1時間ぐらい見た段階で一度休憩したもんね、俺。
せめてね、ありきたりとはいえ、怪物の異形性がエグかったり、仲間内での胸の熱くなる演出とかあればまだ楽しめたか、と思うんですけど、それすらも雑でねえ。
登場人物たちの関係性を掘り下げていくことができないんなら大勢出すな、って話でね。
特に中盤における隊長の追い詰められた挙げ句の行動とか、意味わかんないですしね。
なぜそこでそこまでやる?みたいな。
最後の最後、エンドロール間近の10分ぐらいでようやく少しだけ盛り上がったかな、みたいな有様でして。
立ち上がりが遅すぎるわっ。
物語全編を閉鎖空間での命をすり減らす攻防に持ち込めなかったのが敗因なんでしょうけど、ディセントですでにやっちゃってることはさすがに2度もできん、ってことか。
で、今、ふと思い出したんだけど、よく考えたらディセントもそんなにめちゃくちゃ面白いわけではなかったな、と。
この人とイーライ・ロスはなにが高く評価されてるのか私にはわからないですね。
凡作。
酔っぱらいながら見るぐらいでちょうどいいかも。