青い春

青い春

1990年初出 松本大洋
小学館ビッグコミックス

<収録短編>
しあわせなら手をたたこう
リボルバー
夏でポン!
鈴木さん
ピース
ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!
だみだこりゃ

主にビッグコミックスピリッツへ掲載された作品を集めた短編集。

まあ、一言で言うなら他愛ない、でしょうかね。

いわゆる不良学生であったりとか、ドロップアウトしちゃった連中の「なにも起こらない退屈な毎日」をつらつらと綴った感じ。

格別ヤマもなければ、オチもない。

時間ばかりは無限にあった、誰もが通過したモラトリアムな日々を、ささいな揉め事と若さゆえの無軌道さで無駄に過ごしてしまいました、以上、みたいな。

ああ、こんな按配だったよ、と懐かしむ人もいるんでしょうけど、別にグレてたわけでもないしなあ、と思う私のような人間も居るわけで。

なんとなく初期の大友克洋っぽいですね。

70年代の漫画アクションにこそっと載ってそうな、というか。

とはいえ松本大洋ですんで、不良漫画であってすらどこか洗練されてたりはするんですけどね。

原作に狩撫麻礼を迎えた「リボルバー」が一番いい出来でしょうか。

武器が欲しかったわけじゃないんだ、とした落差あるラストシーンも含め、登場人物たちの心の機微を丁寧に追っていていい。

総ずるならファン向けですかね。

最初期の作品は早々と絶版になってますし、今手に入れやすい初期作はこの単行本では、と思われるので、作者の若かりし頃の作風が知りたい人にとっては貴重かもしれませんね。

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