連載終了!

2016年初版 巻来功士
イースト・プレス

80年代の少年ジャンプで「機械戦士ギルファー」「ゴッドサイダー」等を連載して人気を博した作者の、当時を振り返ったエッセイ漫画。

出版社側の思惑としては吾妻ひでおの「失踪日記」や、辰巳ヨシヒロの「劇画漂流」に続け、とばかり二匹目のドジョウを狙ったのかもしれませんが、残念ながらどちらにも遠く及ばない、というのが正直なところですかね。

あったことをそのまま描いてウケるのは、よほど実生活そのものが人並みはずれて変わってないと難しいと思うんですよ。

最近部数を稼いでる素人漫画も、旦那が鬱だとか霊が見えるとかレズ風俗行ったとか、スキャンダラスだったり、普通じゃない状況ありきで成り立ってるのがほとんどですから。

やっぱりね、全盛期ジャンプの舞台裏って、当時の漫画好きなら大抵のことはもう知ってると思うんです。

ネットの隆盛があることないこと全部暴いちゃったあとだ、と言っていい。

なのに今更「当時はこうでした」って、あったことだけ羅列されてもですね、まあ、ジャンプならそんなものだろうな、で終わりですよね。

辛辣なことを言うなら、作者ならではの考察なり、諫言がないし、しいては当時の出来事を読み物として楽しませるだけの芸がない。

せめて強烈な暴露話でもあれば少なくとも驚きはともなかったか、と思うんですが、それもない、ときた。

笑いも毒もない実録漫画で自分語りって、誰に読ませたいんだという話であって。

島本和彦のアオイホノオ(2007~)を読んでないのか!?って感じですね。

残念がらエッセイ漫画に向いてないと思います。

創作の現場で新たな新作を、と願ってやみません。

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