2013年初出 巴亮介
講談社ヤンマガKC 1巻(全3巻)
蛙のかぶりもので正体を欺くシリアルキラーの、無差別殺人を描いたサイコスリラー。
世直し的に独自の価値基準で犠牲者を選ぶ犯人の目的はいったいなんなのか、ってな点が見どころなわけですが、辛辣なことをいっちゃうならこの手の物語って、もう映画、小説ともに膨大な数の類似作があるわけですよね。
漫画でこういう試みをした人ってとっさに思い浮かばないので、そこは意欲的、と評価していいのかもしれませんが、やっぱりどうしたって既視感はつきまとう。
ほぼ同時期に「予告犯」という同傾向の非常に優れた作品が発表されたのもある意味不幸だったと思います。
なんとなく古谷実に似た絵柄だな、と思いつつも、新人とは思えぬ力量の高さに唸らされはしたんですけどね、予測の範疇を超えそうな気がしない・・・。
1巻を読んだだけなんで断言は出来ませんが、ここから全部ひっくり返して、あっ、といわせるのは相当な難事業だと思われます。
テクニックのある人だと思うんで、別の作品を読んでみたい、というのが本音ですかね。