原色日本行楽図鑑

1988年初版 山上たつひこ
双葉社アクションコミックス

4コマを含む、旅や観光をテーマにした短編集なんですが、ギャグと言うよりは非日常をゆるゆると記したコメディ、と言った感じですね。

おそらく作者の実体験が反映されたのであろうエッセイ的作品作りが興味深いです。

時々こういう紀行マンガを発表する傾向にある作者ですが、シリーズものとして継続して連載されていたら高い評価を受けたのでは、という気もします。

着眼点のおもしろさと、旅先の風景を克明に描写する画力の高さは山上たつひこならでは。

ギャグの大家の別の側面を発見できる一冊。

こういうこともさらっ、とできてしまうってのがすごいなあ、と。

乱痴気騒ぎと下ネタでいつも狂騒的だった作者が、大人の読者を意識した風でもあります。

読んでると旅に出たくなりますね。

余談ですが、後に小学館クリエイティブから発売になった同タイトルの単行本は、私の読んだ双葉社版と収録作品が違います。

いくつかの短編がカットされて差し替えられてるみたいなんでご注意を。

コメント

  1. […] どことなく原色日本行楽図鑑みたいな感触の内容なんですが、四コマという形式ゆえか、作者らしさは希薄です。 […]

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