マッドマックス 怒りのデスロード

オーストラリア 2015
監督 ジョージ・ミラー
脚本 ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラソウリス

マッドマックス 怒りのデスロード

今時、核戦争後の砂漠化した終末世界でノンストップバトル、って、ゲームでもやばすぎて手を出さないプロットだぞ、と思っていたら、これがあなた、予想を覆して血沸き肉踊るハイテンションな大活劇で本当にびっくり。

物語はおそろしく単純です。

極悪な支配者が居る。

そこで不遇な扱いを受ける女達を救い出すため、幹部であった女隊長フュリオサがボスを裏切って巨大タンクローリーで脱走。

あとはひたすら移動しながらの、追っ手との攻防劇。

120分全編アクションに次ぐアクション。

なんでこれがおもしろいのか、実は私もよくわからなかったりするんです。

巨大な兵力に対抗するのがマックスと女達だけ、というシチュエーションに感情移入してしまうから、なのかもしれない。

ワイルドスピードでもここまで激走する特殊車両を延々映したりしないぞ、と思われる、どこまでも黄土色一色な爆煙と砂煙の世界に酔わされてしまったからかもしれない。

小道具の数々がいちいちパンクロックでいい、と言うのもあります。

意味なく移動する車両の前面に突っ立って、エレキギターをかき鳴らす奴がいるのには爆笑。

80年代かよ、って。

なんといっても片腕のない反逆者フィリオサが半端じゃなくかっこいいんです。

完全にマックス霞んでます。

つーか、マックス、主役としてあんまり光ってなかったりもします。

でも全然気にならない。

なんていうか、細かいことはいいから黙って見ろ、おもしろいだろうが、って、首根っこひっつかまれて座らされちゃうような問答無用の強引さが作品からほとばしってるんですよね。

しかしジョージ・ミラーは70歳でよくもまあこんな怒涛のアクションを撮ったことよなあ、と思います。

エンディングがちょっとあっけないかな、と思ったりもしたんですが、いや、ここまでやってくれたらもう充分。

至極ベーシックなやり口ながら、食いきれないほどの大盤振る舞いをささやかなドラマで味付けしたシリーズ最高作でしょうね。

メル・ギブソン、必要なし。

参った、降参だ。

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