マシンナーズ

1969年初出 松本零士
朝日ソノラマサンコミックス

初期の秀作。

近未来、何故か日本人だけが絶滅した地球で、長期の星間航行から戻った主人公モリが単身その謎を探るための放浪の旅を描いた物語。

今読むといささか陳腐なガジェットや演出、設定は確かにあるんですが、こういうプロットって、あまり他に見当たらないように私は思います。

特に最終回、執念だけで生きながらえるモリが本懐を遂げるシーンは、その選択の容赦なさ、その後の顛末も相まって胸に迫るものがありました。

セクサロイドやミステリーイブに共通する安いエロチシズムに閉口する部分もあるかもしれませんが、作者ならではのナショナリズム、渦巻く怨念は後の創造性の核を想起させるものであり、勝手な想像ながらここから派生していったものも多くあるのではないか、と思う次第です。

「らしさ」が萌芽した一作。

ファンならおさえておくべき作品ではないでしょうか。

コメント

  1. […] マシンナーズの延長線上にある作品、と言ってもいいかもしれません。 […]

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