セクサロイド

1968年初出 松本零士
朝日ソノラマサンコミックス 全4巻

近未来を舞台としたSFスパイ活劇。

当時の流行なんかも取り入れてのスパイものなんでしょうが、設定は結構いい加減です。

そもそも物語の基本パターンとして、主人公がパートナーであるセクサロイド・ユキを救うために敵の女とベッドをともにし、その後ユキとも情事に励む、の繰り返しなので、スパイものらしき緊張感はほぼなし。

ま、この時代、今も名が残る大御所漫画家ほぼ全員が似たような安いエロ活劇を描いてるんで掲載誌の要求もあったんでしょう。

カミヨ計画編、ヤヨイ計画編、第3計画編と3部構成からなるストーリーなんですが、各話の構成が上述したように怒濤のマンネリズムに陥っているので、どちらかというとSFはあんまり意識しないほうがいいかもしれません。

どことなく石ノ森章太郎の009ノ1っぽくもあるんですが、飄々とナンセンスな印象はモンキーパンチ風でもあります。

プレ松本零士、といった感じですね。

妙に思わせぶりなのはすでにこの頃から顕著だったりしますが。

これまた熱心なファン向きですね。

初期の代表作と捉えられてますが、必読というほどではないか、と。

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