ワンダーランド

2015年初出 石川優吾
小学館ビッグコミックス 1巻(全6巻)

ある日目覚めたら、体が昆虫サイズにまで縮んでいた女子高生のサバイバルを描いたSF。

タイトルのワンダーランドから察するに、下敷きとなっているのは「不思議の国のアリス」っぽいですが、1巻の段階ではそれっぽい引用や換骨奪胎は見当たりません。

どうやら人間がミクロ化したのは地域限定らしいこと、非常線が張られ自衛隊が出動しているらしいこと、猫や鳥などの動物が人の天敵と化したこと等、面白いな、と思える部分もあるんですが、やっぱりね、この手のネタって、ある程度やり尽くされてる感が強いですし。

それぞれシチュエーションは違いますが、映画だったらミクロの決死圏だとかミクロキッズだとかアントマンとか。

スプーンおばさんとか、南くんの恋人、ミクロイドSなんてのもありましたし。

人間がミクロ化してしまうこと自体に目新しさはさほどないですよね、やっぱり。

こうした場合、基本となる設定にどう味付け、装飾していくかが肝となるように思うんですが、うーん、そこもどうなんだろ、と。

登場人物たちの囲い込み方になんとなくハカイジュウを思い出したりもして。

悪くはないんですけどね、前作スプライトで「時間が可視化して黒い波になって襲ってくる」なんて奇想を披露した作者にしちゃあ、ちょっとありきたりかな、と。

続刊を読むかどうかは思案中。

途中で化けてくれるといいんですけどね。

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