ハートブルー

アメリカ 1991
監督 キャスリーン・ビグロー
脚本 W・ピーター・イリフ

新たにFBIへ配属された新人捜査官の活躍を描いた、いわゆる刑事もの。

序盤、相棒であるベテラン捜査官とのやり取りに結構尺が割かれてるんで、バディものかな?と思いきやさにあらず。

主人公がベテランの発案で、連続銀行強盗グループと思われる集団に潜入捜査する流れが物語の主筋。

犯人はサーファーだ、と目星をつけて、主演であるキアヌ・リーブスがサーフボード抱えて仲間に入ろうとするくだりはまあ、見たことのないパターンで絵ヅラといえばそうかも、といった感じですかね。

個人的には若干突飛すぎる気がしなくもないんですが、スリルに取り憑かれた男たちを演出する上で、少なくとも銀行強盗犯達の背景を構築できてはいたかな、と。

80年代臭はかなり濃いです。

デティールやリアリズムより、情動や人間模様を描こうとする傾向は強い。

それが良くも悪くも前半の退屈さを招いてはいます。

なんかどいつもこいつもカッコつけ過ぎな上、台詞回しがクサいし、つっこみどころが多いんですよね。

やはり、FBIがどんな組織なのか絶対ちゃんと調べてない、と思えるのがやはり最大のネックかと。

悪くいうならダーティハリー的な刑事像はもういいから、ってなところ。

そんな手垢感を少しづづひっくり返してくるのが後半。

潜入捜査官であることがバレた主人公が犯人グループとの追走劇に身を投じることになるんですが、これが思いのほかアクションの出来がいい。

何も特別なことはやってないんですが、小道具の使い方や構図のとり方が今見ても古びてない。

あれ?こりゃダメか、と思ってたけど、意外といけるんでは・・・とやや前のめりになる私。

白眉は終盤の飛行機からスカイダイビングするシーンでしょうね。

無茶苦茶やがな!とつっこみつつも、まさかそんなことをやらかすとは思ってなかったんでさすがの私も手に汗握った。

この場面があったことで、本作は手ぬるさを熱量に差し替えることに成功した、と言えるんじゃないかと思います。

はっきり言ってラストシーンも、何に酔ってるんだあなたは、それ以前になんでまだのうのうとFBIなんだお前は?と首をかしげるチープさだったりするんですが、終わってみれば、いやでもそんなに悪くはなかった、と言えてしまうのがこの作品のマジックかも。

若々しいキアヌが骨太なアクションを演じる映画、として見るなら充分楽しめるんじゃないでしょうか。

なんか爪痕を残していくな、ビグロー監督は、というのが正直な感想。

女流監督のしでかす技じゃない、という部分にのみ着目するなら磨きがかかってきてる、と言えるかもしれません。

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