永遠なる瞳の群

永遠なる瞳の群

1973~78年初出 ますむらひろし
朝日ソノラマサンコミックス

<収録短編>
永遠なる瞳の群
自動販売機
夏の終わりにやって来た春
理科室の地下で
氷山1977
ぼくらが地上に帰る時
霧にむせぶ夜
1975
再会
母なる大地の子どもたち
星ふる夜の天使たち

一貫して擬人化した猫のファンタジーを描き続ける漫画家である作者の、初期の短編集。

すでに猫はちょくちょく顔を出してはいるんですが、半分以上は普通にSF仕立てなファンタジーで、ああ、こういう作品も描いてたんだ、となにかと興味深かったですね。

ガロに掲載された後半の短編はナンセンスなものも多いのですが、マンガ少年に掲載された前半の作品群はプロットや発想、オチもしっかりしていて、今読んでも充分楽しめます。

共通するテーマは肉体の変容であって、別世界への扉でしょうか。

意外に毒もあったりする。

特に印象的だったのは「自動販売機」「夏の終わりにやって来た春」で、前者はしりあがり寿あたりがやりそうだなあ、と思ったし、後者はパンデミックなパニックものをこうまとめるのか、ととても感心しました。

このラストシーンはますむらひろしのセンスでしかありえない、と思う。

メッセージ性が強い内容のものもあるんですが、後年の作風を鑑みるに、憤ることに疲れてファンタジーの世界を貫くことに決めたのかも、と勝手に想像したりしてしまいましたね。

独特の作風が香る読み応えたっぷりな一冊だと思います。

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