1977年初出 つのだじろう
竹書房文庫 全2巻
それにしてもすごいタイトルです。
呪凶介霊査室って・・・・。
禍々しいのにもほどがあるって、ほんとに。
ただまあ、作品のプロット自体は良くできている、と思うんですね。
不可解な事件を霊的な観点から解決しようとする二人組が警察と反目しながらも危地にのぞむ、と言う設定は後の心霊探偵八雲とか、あのあたりの作品の先鞭になってるんじゃないか、と思ったりもしますね。
問題は呪凶介と美魂香が当事者なのか、それとも狂言回しなのか、曖昧になってる点。
怪奇現象そのものを描きたかったのか、奇々怪々な探偵小説的内容にしたかったのか、そこがブレまくってるんですね。
困った漫画です。
楽しめる部分もあるんですが、余計なものがたくさん詰め込まれすぎていて、どこに集中すればいいのかわからない状態。
まあ、どちらにせよ、私は行灯の影にうつった化けネコの正体が知りたいのではなく、行灯の影に化けネコらしきものがうつっている、というシチュエーションをどう演出するのかを楽しみたい人なので、これじゃない、と言えばこれじゃないんですが。
いつものつのだじろうのテリトリーだな、とは思いました。
惜しいと思える設定ではあるんですけどね。