アメリカ 2014
監督 アダム・ウィンガード
脚本 サイモン・バレット
前半はなかなかよかったのでは、と思うんです。
いや、そんなに都合よく他人の家族の信頼は勝ち取れないでしょう、と思うひねくれた自分もいたりするんですが、それでもダン・スティーブンスのさわやかな笑顔と行動力を見てるとですね、あ、信用しちゃうかもなあ、と思う瞬間は確かにありました。
そういう絵を作り上げた監督が巧かった、というのは確かでしょう。
徐々にほころびが見えてくる中盤以降の展開も、オチが予測できず、実にスリリングだったんですが、いざ終わってみれば、後半がまるで別物じゃないか、これ!と言うのが正直な感想でしたね。
いや、私ね、ひょっとしてファニーゲームみたいな超嫌な展開になるんじゃないだろうな、なんて思ってたんです。
当たらずとも遠からじ、と言っていいのかもしれませんが、拍子抜けしたのは、前半であれだけじっくりストーリーをひとつづつ丁寧に積み上げておきながら、なぜ後半がああも安っぽいスラッシャームービーみたいになっちゃうんだ、と言う点。
またデヴィッドの動機がなんだかよくわからくて。
軍とか医療実験とか散りばめときゃなんとかなるだろ、みたいな安直さははっきりいって練り込み不足。
一番説得力が必要な部分が曖昧なままなんですね。
これでは、善良な一家が思わぬ災難に遭遇してひどい目にあった、以上の意味を持たず、前半のスリルも台無しと思う次第。
ラストシーンがこれまた蛇足で。
なんだかプロ野球の公式戦で9回裏、ピッチャーが投げた球が突然ドッジボールだった、みたいな違和感を私は覚えました。
・・・・なんだ、この例え。
監督はもっとレベルの高いステージでやれると思うんだけどなあ、と感じたのは私だけでしょうか。