アメリカ 2014
監督 デヴィッド・ドブキン
原案 デヴィッド・ドブキン、ニック・シェンク
地方都市の判事である父のおこした交通事故の、弁護を引き受けるハメになった息子の葛藤を描いた法廷ドラマ。
テーマは父と子の断絶であり、法にたずさわるものとして正義とはどうあるべきなのか、といったあたりでしょうか。
親子のぶつかり合いにサスペンス的な要素を持ち込んだのは非常にうまい、と思いましたね。
真相を暴くことが一体誰のためになるのか、複雑に絡み合った家族の事情がそれを明確にすることを許さず、いったいどうなるんだろう、と、最後まで緊張感の緩むことなし。
私が感心したのは、年老いた頑固な父親の「老い」を、包み隠さず至極現実的な形で見せつけたこと。
結局確執や恩讐を洗い流すものって、過去のままではないと知った時の「気づき」なんだろうなあ、と変に納得したりしました。
法廷における描写の丁々発止なやりとりがもっと見たかった、というのはありましたが、それも被告人席に立つ父親の予想外の独白ですべて帳消し。
これはね、涙腺に来ます。
私なら、こんな場所で今更そんなこと言うのかよ、って絶叫しちゃいそう。
親子の絆を事件に絡めて描いた実によく出来た作品だと思います。
あっ、という間の142分。
おすすめですね。