スペイン/フランス 2014
監督 エステバン・ロエル、ファンフェル・アンドレス
脚本 ファンフェル・アンドレス、ソフィア・クエンカ

アレックス・デ・ラ・イグレシアが製作に名を連ねてますが、2名の監督は新人のようです。
スペインでは話題をさらった作品らしいですが、エスターを引き合いに出すほどじゃない、というのが正直なところでしょうか。
ホラーに詳しい人はきっと同意見だろうと思うのですが、やっぱりね、題材そのものに既視感が強い。
盲目的にキリスト教を信仰する姉モンセの屈折した心の闇も、蓋を開けてみればやっぱりそっちの話だったか、ってなオチでしたし。
ラストの衝撃の新事実もとってつけたような印象はまぬがれない。
さらに言うなら予測の範疇。
監督が描くべきは真実を突きつけられた妹が、どう行動するのか?だったと思うのですが、そこは曖昧なまま終幕、でしたし。
あと気になったのはキャラクターが記号化しちゃってる部分でしょうか。
姉=頭がおかしい
妹=常識人
・・・みたいな感じで、モンセの狂気や妹の姉に対する複雑な心情が一向にあぶりだされることなく、淡々と物語は上辺だけでエスカレートしていくんですね。
なのでモンセの言動がおかしかろうが凶行に走ろうが、まるで怖くない。
何故この人はこんなことしてるの?って感じ。
早い話が演出不足。
モンセ役マカレナ・ゴメスの役作りが甘い、とも言えるかも知れません。
がんばってシナリオに工夫を凝らしたのは伝わってくるんですが、総じて空回り気味、というのが結論。
なんか私、イグレシアの関わってる作品って、いつもぴんと来ないんですよね。
相性が悪いのかもしれません。